【アスリートの原点】紀平梨花:「ジャンプの申し子」は幼稚園時代に跳び箱8段を飛び、逆立ちで園内を歩いた

原点にあるのは、両親のサポートと「ヨコミネ式教育法」

2018−2019シーズン、紀平梨花(きひら・りか)は国際大会6連勝という鮮烈な成績を残し、女子フィギュアスケート界のニューヒロインとして輝きを放った。伊藤みどりや浅田真央らの系譜を継ぎ、「ジャンプの申し子」と称される彼女の原点には、幼稚園のころから積み重ねてきたハードな鍛錬がある。

2015年12月、13歳の時の写真。北海道の真駒内アイスアリーナで将来性を確信させるパフォーマンスを見せた
2015年12月、13歳の時の写真。北海道の真駒内アイスアリーナで将来性を確信させるパフォーマンスを見せた2015年12月、13歳の時の写真。北海道の真駒内アイスアリーナで将来性を確信させるパフォーマンスを見せた

シニア初年に国際大会6連勝の快挙

フィギュアスケートの紀平梨花(きひら・りか)は、シニア大会デビューを果たした2018−2019シーズン、国際大会6連勝という成績を収め、瞬く間に銀盤のヒロインへと成り上がった。

シニアグランプリ大会初挑戦となったNHK杯で、フリープログラムにおいてトリプルアクセルを2度成功させて優勝を果たすと、2戦目のフランス杯でも2位から逆転優勝をたぐり寄せた。グランプリファイナルでは、ショートプログラムでもトリプルアクセルを成功させ、2013年の浅田真央以来、日本女子勢では5年ぶりの金メダルを獲得した。

彼女には「ジャンプの申し子」という異名がついている。

2017年、14歳の時に出場した国際スケート連盟(以下ISU)非公認のローカル大会、全大阪フィギュアスケート選手権大会で、「トリプルアクセル+トリプルトーループ+ダブルトーループ」の3連続ジャンプを成功させ、観客を沸かせた。同年9月のジュニアグランプリ・スロベニア大会では、ISU公認大会において女子史上7人目のトリプルアクセルを着氷。日本人では伊藤みどり、中野友加里、浅田真央に次ぐ快挙で、同大会では6種類8つの3回転ジャンプを女子史上初めて成功させるという偉業も成し遂げている。

同年に行われたジュニアグランプリファイナルのフリーでは、女子史上初となる「トリプルアクセル+トリプルトーループ」の大技に成功。トリプルアクセルは、いまや彼女の代名詞とも言えるほどの高い成功率を維持している。

2017年12月の全日本選手権では2本のトリプルアクセルを決め、15歳の若さながら総合3位に食い込んだ(右端)
2017年12月の全日本選手権では2本のトリプルアクセルを決め、15歳の若さながら総合3位に食い込んだ(右端)2017年12月の全日本選手権では2本のトリプルアクセルを決め、15歳の若さながら総合3位に食い込んだ(右端)

母の食事サポートで体脂肪率は1ケタ台

紀平は、2002年7月21日に兵庫県西宮市で生まれた。スケートとの出合いは3歳の時。母と4歳年上の姉と3人でリンクに遊びに行ったのがきっかけだ。それからもリンクに足を運び、5歳の冬休みからスケート教室に通い始めた。

幼少期はスケートのほかにエレクトーン、ピアノ、体操、水泳、バレエ、ダンスとさまざまな習い事に取り組んだ。小学1年の冬、当時のコーチから個人レッスンに誘われると、それ以降、土日は最低6時間、平日も2時間をスケートの練習に費やし、鍛錬を重ねた。父は他の選手や試合、スケート教室の情報収集に勤しみ、母は短大時代に学んだ栄養学の知識を存分に生かしてサポートしてくれた。

水泳、バレエ、ダンスにも親しんだように、幼いころから運動神経は抜群。その原点の一つには、通っていた西宮市の広田幼稚園が採用していた「ヨコミネ式教育法」も挙げられる。女子プロゴルファーの横峯さくらの叔父である良文さんが提唱するメソッドだ。1歳9カ月から通い始めた同幼稚園では、跳び箱8段を飛び、逆立ちで園内を歩くなど運動能力の基礎が築かれた。その甲斐あって現在、50メートル走のタイムは7秒8と俊足を誇り、体脂肪率は1ケタ台をキープしている。

2018年の平昌冬季五輪は、年齢制限にわずかに届かず出場できなかった。来たる北京冬季五輪でめざすは、表彰台の真ん中だ。そのために、2019−2020シーズンは4回転を取り入れる意向を表明し、進化を続けている。

  • 16歳の紀平梨花、来季に向けて4回転ジャンプを練習

    16歳の紀平梨花、来季に向けて4回転ジャンプを練習

楽しめましたか?お友達にシェアしよう!