スタートからオープンレースの陸上1500メートル。日本勢は東京五輪での出場を目指す

2020年の東京五輪では、陸上競技の中距離種目として男女ともに800mと1500mが予定されている。スタートからオープンレースで行われる1500メートルは有力選手がアフリカ勢に集まっており、日本勢は2020年に久々のオリンピック出場を目指している。

陸上1500メートルはスタートからオープンレースで行われる
陸上1500メートルはスタートからオープンレースで行われる陸上1500メートルはスタートからオープンレースで行われる

800mとは異なり、1500mはスタートからオープンレーンで行われる

1500m走は1周400mのトラックを3周と3/4走ることになるため、第二コーナーをスタートラインとし、ゴール直前は直線コースを走ることが一般的である。また、スタート時から各選手にはレーンが割り振られておらず、オープンレーンで最後まで競うことになる。

なお、オリンピックにおいては、1500mを含むトラック競技では不正スタート1回で失格になるというルールが採用されている。スタート後に呼び出しのピストルが鳴ると、フラッグの色によってフライングの内容と失格かどうかが分かるようになっている。

緑色のフラッグが振られたときは機械のトラブルなどによるフライングで、選手には責任がないとされる。一方、黄色や赤、黒色のフラッグが振られるときは、意図的なフライングで、悪質なフライングをした選手は失格と判定される。

東京五輪の出場権獲得には2つのルート

国際陸連(IAAF)によると、次のいずれかの基準を満たすことによって東京オリンピックの1500m走の出場権が得られることになる。

・世界ランキングにおいて上位にエントリーされること

・IAAFが定める参加標準記録以内のタイムを出すこと

つまり、世界ランキングで上位に入れなかった選手でも、優秀だと認められる選手は、参加標準記録以内のタイムが出ていると1500mの出場権を手にできる。反対に、参加標準記録以内の記録を出しただけで、特に優秀な実績がない選手には、オリンピックの出場権は与えられない。

ランキングもタイムも、参考になるのは、2019年7月1日~2020年6月29日の間に出した記録のみである。1500m走の種目では、各国あるいは各地域3人までの選手が出場権を手にできる。出場権の資格に該当する選手が4人以上いるときは、それぞれの国の適切な機関が選手選考を実施しなくてはならない。

リオ五輪男子1500メートルはアメリカのマシュー・セントロウィッツが金メダルを獲得した
リオ五輪男子1500メートルはアメリカのマシュー・セントロウィッツが金メダルを獲得したリオ五輪男子1500メートルはアメリカのマシュー・セントロウィッツが金メダルを獲得した

1500mはアフリカ勢が有力、日本は五輪出場を目指す

2019年1月末の時点において、男子の世界記録はモロッコのヒシャム・エルゲルージが1998年7月14日に出した3分26秒00である。一方、日本記録は、2004年7月31日に小林史和が出した3分37秒42である。男子の1500m走は、モロッコを始め、ケニアやアルジェリアなどのアフリカ勢が世界ランキングの上位に名を連ねている。

同じく2019年1月末の時点において、女子の世界記録は2015年7月17日にエチオピアのゲンゼベ・ディババが出した3分50秒07である。一方、日本記録は2006年9月24日に小林祐梨子が出した4分07秒86だ。

男子1500m走では、リオ五輪で金メダルを獲得したアメリカ合衆国のマシュー・セントロウィッツや2018年のトップタイムである3分28秒41を記録したケニアのティモシー・チョルイヨットが、東京五輪でも活躍が期待されている。また、女子では同じくリオ五輪で金メダルを獲得したケニアのフェイス・キピエゴンや銀メダルを獲得したワールドレコード保持者でもあるゲンゼベ・ディババも、東京五輪でも好記録が期待される。なお、リオ五輪では、1500m競技には男女ともに日本人選手の出場はなかった。

1980年のモスクワオリンピック以後すべてのオリンピックにおいて、男女ともに日本人選手は1500m走には出場していない。オリンピックに出場する最低ラインともいえる参加標準記録が日本記録よりも速く、日本はまだ世界基準にいないのが現状だ。

なお、2016年リオ五輪での参加標準記録は、男女ともに日本記録よりも速かった。1500m走は、日本人にとっては出場するだけでも難しい競技と言えるだろう。

リオ五輪女子1500メートルの表彰台。金メダルのフェイス・キピエゴン(ケニア)、銀のゲンゼベ・ディババ(エチオピア)、銅のジェニファー・シンプソン(アメリカ)
リオ五輪女子1500メートルの表彰台。金メダルのフェイス・キピエゴン(ケニア)、銀のゲンゼベ・ディババ(エチオピア)、銅のジェニファー・シンプソン(アメリカ)リオ五輪女子1500メートルの表彰台。金メダルのフェイス・キピエゴン(ケニア)、銀のゲンゼベ・ディババ(エチオピア)、銅のジェニファー・シンプソン(アメリカ)


日本人女性の五輪初メダル獲得は中距離走

日本人は中距離走に弱いのかというと、実際のところそうとも言い切れない。確かに近年は1500走には出場していないが、日本人女性のオリンピック初メダルは同じく中距離層の800m走(1928年のアムステルダムオリンピックの人見絹枝選手。銀メダルを獲得)であった。2020年の東京オリンピックでは、日本からこの種目に出場する選手が出てくることが期待される。

日本の中にも素質を持った1500m走の選手は多いが、まだまだ世界的レベルの選手が出てきていないのが現状である。しかし、出場権をかけた争いはこれから始まっていくだけに、日本人選手の活躍にも大いに期待したい。オリンピックに出場できるかどうかは、2019年後半~2020年前半に出された公式レコードによって決まるからだ。

オリンピックは世界中の優れた選手が一堂に会する祭典。たとえ日本人選手の出場がなかったとしても、ホスト国の国民として世界最速の選手たちの素晴らしいパフォーマンスを楽しむ機会を得られるのは光栄なことに違いない。

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