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バドミントン男子シングルス:東京オリンピックで初のメダル獲得なるか

金メダルの期待が掛かる桃田賢斗選手

世界ランキング1位の桃田選手はどこまで行けるのか

今、日本のバドミントンが元気だ。とりわけ女子は、国際大会でも素晴らしい実績を上げており、フォーカスが当たることも多かったが、2018年11月時点で世界ランキング1位に上り詰めた桃田賢斗のように、男子選手たちも大きな大会で存在感を示すようになってきている。昨今の右肩上がりの勢いは、東京五輪を目前に控え、様々な競技の中でも筆頭格といっても過言ではないだろう。過去のオリンピックでは、中国やインドネシアなどメダル常連国の高い壁に阻まれていたが、2020年東京五輪ではメダル獲得の期待が膨らんでいる。

男子シングルスの五輪メダルはゼロ

バドミントンがオリンピック競技に加わったのは、1992年バルセロナ五輪からだ。これまで7大会が行われてきたが、日本男子シングルスのメダル獲得数はゼロだった。

ただ、ここのところ日本のバドミントンは活気づいている。2018年、中国の南京で開催された世界選手権の男子シングルスで、桃田賢斗選手が日本人として初めて優勝した。前年の2017年イギリス・グラスゴー大会の女子シングルスで、奥原希望選手が成し遂げた日本人初優勝に続くもので、日本のバドミントン新世代の強さを見せつけた。2018年はタイ・バンコクで国別対抗戦のトマス杯とユーバー杯が行われ、男子は準優勝、女子は優勝している。

日本が強くなってきた背景には、日本バドミントン協会が2000年代後半からジュニア強化に取り組んできたことがある。桃田賢斗や山口茜はジュニアナショナル(日本代表)に選ばれ、育成されてきた選手たちで、2018年11月現在、2人とも世界ランキング1位に上り詰めている。また、2004年に1992年バルセロナ五輪の男子ダブルス金メダリストで、韓国バドミントン界の英雄、パク・ジュボン氏をヘッドコーチに招き、指導のテコ入れしたり、2008年には、公式サイズのバドミントンコートを10面、シャトルへの影響を考慮した空調設備を備えたナショナルトレーニングセンターを開設したり、ソフト、ハードの両面において、選手を育成する環境が格段に改善していることも理由に挙げられるだろう。

発展途上の男子バドミントン界を、背負って立った唯一のレジェンド

1960年代、当時世界最高峰とされていた全英オープンで、複数の日本人女子選手が優勝していたのに対し、男子選手で活躍する選手は少なく、まさに男子バドミントン界は発展途上だった。

その中で一人だけ、1966年の全英オープンで準優勝した選手がいる。それが秋山真男だ。国内大会でも大いに活躍した秋山の存在は大きく、現在、日本バドミントン協会の専務理事を務める銭谷欽治らに影響を与えたとされている。その後、2010年第100回全英オープン大会で、田児賢一が準優勝するまでの44年間、決勝に進出する日本人男子選手はいなかった。

中国インドネシアなど常連5カ国の壁を崩せるか

過去7回のオリンピックでメダルを獲得しているのは、アジアの国々がほとんどで、多い順にみてみると、中国8個、インドネシア6個、マレーシア4個、韓国1個と成っている。ヨーロッパはデンマークが3個獲得しているだけだった。この5カ国によるメダル争奪戦と言っていいほどに、他国の追随を許さない強さを発揮している。圧倒的な強さをみせる中国は、国家をあげて強化プログラムを実践している。その強さの秘密は、下半身を鍛え、コート内でのフットワークを上達させる「チャイナステップ」と呼ばれる練習法にあると指摘する人もいる。

また、バドミントンが国技のインドネシアも、国を挙げて選手を育成している。1992年バルセロナ五輪では、金銀銅3色をインドネシアが独占(銅メダルはデンマークも同時獲得)したほどだった。マレーシアもバドミントンは国技とされ、専用コートを備えた体育館が多く、スポーツバーでもバドミントンの試合が流れるなど、広く国民に親しまれている。

インドネシアのバドミントン愛に隠された秘密

インドネシアはバドミントンで初のオリンピック金メダリストカップルを生み、男子ダブルスの伝統を持ち、世界で最も熱いファンに恵まれている。

世界ランキング1位の桃田にメダルの期待が

2018年11月時点で、男子シングルスの世界ランキング100位以内に入っているのは、桃田賢斗1位、西本拳太9位、常山幹太18位、坂井一将31位、五十嵐優40位、武下利一62位の6選手だ。

桃田選手の後を追う西本拳太選手

一方で日本ランキングのベスト10は、桃田賢斗1位、西本拳太2位、坂井一将3位、常山幹太4位、武下利一5位、上田拓馬6位、五十嵐優7位、小野寺裕介8位、古賀穂9位、下農走10位という順になっている。

また、日本バドミントン協会が12月3日に発表した男子シングルスの2019年日本代表内定選手は、五十嵐優、大林拓真、小本翔太、古賀穂、坂井一将、下農走、常山幹太、西本拳太、桃田賢斗、渡邉航貴の10選手だ。(2018年12月11日に正式決定)。

東京五輪の出場選手は、2019年の代表選手たちから選抜されることになるだろう。やはり、注目選手は世界ランキング、日本ランキングともに1位の桃田賢斗選手だ。桃田は2016年リオデジャネイロ五輪でも、有力なメダル候補として大きな期待を集めていたが、違法賭博問題が発覚し、日本バドミントン協会から無期限大会出場停止処分を受け、リオ五輪に出場できなくなった。

2017年春に復帰してから国内外の大会で実績を重ね、2018年南京で開催された世界選手権で優勝。世界ランキングも一気に急上昇して、日本男子史上初となるシングルス1位に輝いた。一生懸命に重ねてきた努力を、2020年東京五輪の舞台で発揮し、4年前の汚名と悔しさをはねのけて金メダルを獲得できるのか。日本男子シングルスの行方は、桃田賢斗の双肩かかっている。