【バドミントン】ワールドツアーファイナルズレビュー:桃田賢斗が4年ぶり2度目の「年間王者」に輝き、東京五輪出場を手中に!

ダブルスは男女ともに悔しい準優勝に終わる

12月11日から15日まで、中国・広州で国際バドミントン連盟によるワールドツアーファイナルズが行われた。東京五輪の代表選考レースにも大きな影響力を持った今大会では、桃田賢斗が「年間王者」に輝いた。日本勢が繰り広げた熱戦を振り返る。

男子シングルスで優勝を果たした桃田賢斗。世界ランクのポイントを積み上げ、東京五輪出場を内定させた
男子シングルスで優勝を果たした桃田賢斗。世界ランクのポイントを積み上げ、東京五輪出場を内定させた男子シングルスで優勝を果たした桃田賢斗。世界ランクのポイントを積み上げ、東京五輪出場を内定させた

桃田賢斗は今年15大会のうち11回目の優勝

バドミントンのワールドツアーファイナルズ」に出場したのは、8月の世界選手権王者と、BWFワールドツアーランキング上位選手を合わせた8名(8組)だ。

男子シングルス、男子ダブルス、女子シングルス、女子ダブルス、そして混合ダブルスの5種目が対象で、12月11日から13日まで、1グループ4人(組)に分かれ総当たりのグループリーグが行われている。14日に各グループ上位2名による準決勝、15日に決勝戦が実施された。

昨年の2018年大会で全種目で準決勝進出の快挙を達成した日本勢は、いまや世界中から「バドミントン大国」として認められている。

男子シングルスの桃田賢斗は、世界ランク1位に立つ。文字どおり男子バトミントン界をけん引する存在だ。今回のワールドツアーファイナルズでも男子シングルスでグループリーグ3連勝とその実力を遺憾なく発揮。準決勝進出を決めると、台湾のワン・ツーウェイにストレート勝ちを収め決勝へと駒を進めた。

2年連続の決勝進出となった桃田は、11月上旬に行われた福州中国オープンで自身に敗れ、準優勝に終わったアンソニー・S・ギンティン(インドネシア)と対戦した。桃田は第1ゲームを17−21で落としたものの、驚異の冷静さと粘り強さを見せた。第2ゲームは21−17で接戦を制して第3ゲームでは21−14で大逆転勝利を収め、2015年以来2度目の年間王者の座に輝いている。桃田は今年出場した15大会のうち11大会で優勝という圧倒的な成績を残し、日本人男子初の全英制覇、世界選手権の連覇に続き、またも快挙を成し遂げた。

遠藤大由(右)&渡辺勇大(左)のペアは男子ダブルスで準優勝。決勝では「自分たちのプレーが通用した場面もあった」という
遠藤大由(右)&渡辺勇大(左)のペアは男子ダブルスで準優勝。決勝では「自分たちのプレーが通用した場面もあった」という遠藤大由(右)&渡辺勇大(左)のペアは男子ダブルスで準優勝。決勝では「自分たちのプレーが通用した場面もあった」という

園田啓悟&嘉村健士の「ソノカム」ペアは3戦全敗

女子シングルスでは昨年準優勝の奥原希望(のぞみ)はグループリーグ全勝で2年連続の準決勝に駒を進めている。山口茜も3戦目では敗れたものの2連勝で突破を決めた。ただし、奥原も山口も準決勝で敗退を喫している。決勝は地元中国のチェン・ユーフェイと、台湾のタイ・ツーインによる顔合わせ。世界ランクトップ2による一戦は、2位のユーフェイの勝利で幕を閉じた。

ダブルスでは男女ともに日本代表が健闘した。男子ダブルスでは世界6位の遠藤大由(ひろゆき)&渡辺勇大(ゆうた)のペアが世界1位のインドネシアのペアを下すなどグループリーグ3連勝を収め、2年連続の決勝進出を果たしている。世界2位のインドネシアのペアにストレート負けを喫し、日本人初Vはお預けとなったものの、遠藤が「自分たちのプレーが通用した場面もあった」と話したとおり、内容は決して悪くなかった。対照的に、世界4位の園田啓悟&嘉村健士の「ソノカム」ペアは地元中国の世界3位のペアに敗れるなど3戦全敗で悔しい結果となった。

女子ダブルスでは、世界ランク2位の福島由紀&廣田彩花の「フクヒロ」ペアが3戦連続白星で、世界ランク3位の永原和可那&松本麻佑の「ナガマツ」ペアも2勝1敗でベスト4入りを決めた。奇しくも準決勝は抽選の結果、両ペアによる「日本人対決」が実現し、「ナガマツ」ペアが逆転勝利で決勝まで駒を進めている。世界1位の中国のペアと対戦した決勝で、「ナガマツ」ペアは、持ち前の攻撃力を発揮できず、8月の世界選手権以来の優勝はならなかった。それでも、松本は「負ける時はあっさり負けることが多い。そこが今の課題」と話し、前を向いた。

混合ダブルスでは世界ランク3位の渡辺勇大&東野有紗ペアがグループリーグ3連勝と他を圧倒。しかし、世界ランク1位のペアに準決勝で競り負け、2年連続の準決勝敗退を味わった。世界ランク1位のジェン・シーウェイ&ファン・ヤチョンのペア、そして同2位のワン・イルユ&ファン・ドンピンのペアによる中国勢同士の決勝の結果、シーウェイ&ヤチョンのペアが頂点に立った。

永原和可那(左)&松本麻佑の「ナガマツ」ペアは女子ダブルスで準優勝。8月の世界選手権以来の優勝を逃している。
永原和可那(左)&松本麻佑の「ナガマツ」ペアは女子ダブルスで準優勝。8月の世界選手権以来の優勝を逃している。永原和可那(左)&松本麻佑の「ナガマツ」ペアは女子ダブルスで準優勝。8月の世界選手権以来の優勝を逃している。

女子ダブルスでは「ナガマツ」ペアが東京五輪行きに前進

バドミントンで東京五輪への出場権が与えられるのは、各種目とも各国最大で2枠。2枠を得るには2選手ともに世界ランク16位以内に入ることが条件となっており、代表選手は2020年4月28日の世界ランクをもとに最終決定する。世界ランクは一年間に出場した大会の中から獲得ポイントが高い10大会を抽出し、その合計ポイントで順位づけされている。

桃田は今年すでに10大会で優勝したことで大量にポイントを積み上げていた。さらに今大会の優勝によりポイントを獲得し、今後ポイントを一切加算できなくても17位以下に落ちる可能性はなく、10位と日本勢で2番手につける常山幹太、18位で3番手の西本拳太の両方に抜かれて圏外の3番手に下がる可能性が消滅したため、東京五輪行きがほぼ確実となった。

実は桃田は前回のリオジャネイロ五輪でも大本命の金メダル候補だった。しかし、違法賭博問題が発覚し、出場停止処分を受け、オリンピックへの出場権を失った過去がある。この4年間、自分の行いを反省し、死にもの狂いで努力してどん底から這い上がってきた。世界1位に君臨し、警戒され研究しつくされる存在となってはいるが、必死につかみ取った憧れの舞台で、無様な姿をさらすわけにはいかないだろう。桃田は紆余曲折を経てたどり着いたオリンピックに、相当な覚悟を持って挑むはずだ。

ナガマツペア、フクヒロペア、高橋礼華(あやか)&松友美佐紀による「タカマツ」ペアが三つ巴で2枠の五輪切符を争っている女子ダブルスでは、ワールドツアーファイナルで準優勝の成績を収めたナガマツペアがその切符を大きく手繰り寄せた。

もちろん、東京五輪行きを内定させたのは桃田のみ。2020年の晴れ舞台に立つべく、選手たちは最後の最後まで各ツアーでポイントを積み重ねていく。

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