ハンドボール:リオ五輪の屈辱を忘れない!「彗星」と「おりひめ」は、世界屈指の指導者とともに躍進を期す

男女ともに2019年に開催される世界選手権は、大きな意味を持つ大会になる。
男女ともに2019年に開催される世界選手権は、大きな意味を持つ大会になる。男女ともに2019年に開催される世界選手権は、大きな意味を持つ大会になる。

2018年11月30日から開催された女子アジア選手権、“おりひめジャパン”は韓国に敗れて準優勝に終わった。7大会ぶりの優勝とはならなかったが、2019年11月に熊本で行われる世界選手権にはずみをつけた。一方、男子代表“彗星ジャパン”は、1月10日からドイツとデンマークでの共催となった世界選手権に、ワイルドカード(主催国推薦枠)で臨んでいる。2016年リオデジャネイロ五輪は、日本が過去最多のメダルを獲得した大会となった。ただ、その中で男女ともに出場できなかった競技がある。それがハンドボールだった。地元開催の東京五輪で、その雪辱を晴らすというのは、ハンドボールに関わる人たちの悲願だろう。男女ともに、2019年の世界選手権が、2020年東京五輪に向けて重要な大会であることは間違いない。

五輪出場に向け、強化プランがスタート

ハンドボールは、手でボールを扱い、相手ゴールへと投げ入れて得点を競う競技だ。1チーム7人で、そのうちの1人はゴールキーパー。サッカーあるいはフットサル、またはバスケットボールと多くの共通点を見いだせる。オリンピックでは、1936年のベルリン五輪で初めて採用された。その後、正式競技から外れていたが1972年のミュンヘン五輪で復活し、女子の競技は1976年のモントリオール五輪から行われている。

東京五輪には男女とも12チームが出場する。2019年の世界選手権や各大陸予選で出場国が決まる。日本には開催国枠での出場権が与えられており、日本代表の五輪出場は、男子が32年ぶり、女子が44年ぶりとなる。

こうした状況の中で、日本ハンドボール協会は世界的な指導者を招へいした。男子代表監督には、現役時代には、アイスランド代表として活躍し、引退後には、ドイツ代表をリオデジャネイロ五輪銅メダルに導いた“世界屈指の名将”として知られるダグル・シグルドソン氏が就任した。また、女子代表は、デンマーク出身で、同国代表コーチとして世界選手権3位入賞に貢献した実績を持つウルリック・キルケリー氏が率いている。

2020東京五輪の注目選手

LW(左サイド)7 宮﨑大輔(大崎電気OSOL)

“彗星ジャパン”の注目は、やはり「ミスターハンドボール」の宮﨑大輔だろう。1981年6月6日生まれ(37歳)、大分県大分市出身。身長175cm。国際試合出場数129、同通算得点582。小学3年生のころ、1歳年上の姉の影響でハンドボールを始める。ハンドボールの名門、大分電波高等学校(現大分国際情報高等学校)に進学。2年生のときに全国高等学校総合体育大会(インターハイ)、3年生のときのインターハイと2年連続で得点王に輝く。卒業後は日本体育大学に進み、全日本学生ハンドボール選手権大会(インカレ)連覇に貢献し、自身は最優秀選手(MVP)に選ばれた。その後、休学してスペインに2年間のハンドボール留学。2003年には大崎電気へ入部する。2009年6月、スペイン1部のアルコベンダスへ移籍。翌年6月、大崎電気に復帰した。宮﨑はTVのスポーツバラエティーなどにも数多く出演しており、その実力のみならず、日本で最も知名度が高いハンドボール選手だろう。近年は負傷の影響などで、日本代表から離れていたが、シグルドソン体制になってからポジションをサイドに移し、代表に復帰している。

宮崎大輔
宮崎大輔宮崎大輔

LB(左45) 24 信太弘樹(大崎電気OSOL)

信太弘樹は1989年6月24日生まれ(29歳)、茨城県行方市出身。身長188cm。国際試合出場数70、同通算得点206。小学生時代はハンドボールと野球を掛け持ちしていたが、中学校からハンドボールに専念。地元の県立藤代紫水高校で、名伯楽、滝川一徳の指導を受ける。2006年、2007年と全国高等学校ハンドボール選抜大会の連覇に貢献。2008年、宮﨑と同じく日体大へ進学。2012年に大崎電気へ加入する。日本ハンドボールリーグ(JHL)ではレギュラーとして活躍。2017-18シーズンはチームの3連覇に貢献し、プレーオフ表彰で最高殊勲選手賞に初めて輝いた。日本代表としては、U-16から着実にステップアップ。シグルドソン体制では一貫してキャプテンを務めるなど、監督からの信頼は厚い。左利きのバックプレーヤーで、攻守両面に欠かせない存在となっている。

信太弘樹
信太弘樹信太弘樹

RB(右45) 4 角南唯(ニューコビン・ファルスター/デンマーク)

“おりひめジャパン”の注目株といえば、角南唯(すなみゆい)、この人だろう。1991年6月7日生まれ(27歳)、岡山県倉敷市出身。身長161センチ。双子の妹、涼(2015年負傷などにより現役引退)と、1学年下の妹、果帆(現ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング)もハンドボール選手。地元の下津井中学3年生のとき、3姉妹そろって全国大会に出場し、優勝を果たす。卒業後、大阪にある四天王寺高等学校に進学すると、2009年のインターハイで優勝。準決勝では、インターハイ5連覇を狙う京都府立洛北高校(京都)相手に勝利を収めた。なお、洛北ハンドボール部には、二人の妹、涼と果帆が所属していた。大阪体育大学に進学すると、全日本学生選手権(インカレ)で2度の優勝を達成。2014年1月29日に北國銀行ハニービーの選手として、JHLへ登録される。2014-15シーズンからはレギュラーとして活躍。2017-18シーズンまで、チームのJHL4連覇に貢献した。そして2018年5月、デンマークのニューコビン・ファルスターに移籍することを発表した。2018年のアジア選手権でも主力として出場するなど、おりひめジャパンに欠かせないメンバーとなっている。

※国際試合出場数・国際試合通算得点は、2018年8月の第18回アジア競技大会終了時点

メダルラッシュのリオ五輪は「蚊帳の外」。その屈辱を忘れない

2016年のリオデジャネイロ五輪で日本は、史上最多となる41のメダルを獲得し、多くの国民が、代表選手たちの活躍ぶりに心を躍らせた。そうした中、唯一男女ともに出場を逃してしまったハンドボールは、そうした熱狂の渦の、まさに「蚊帳の外」に置かれていた。恐らく、言葉にできないぐらいの悔しさを味わったのではないだろうか。今、日本ハンドボール協会は、男女ともに、ハンドボール先進国のヨーロッパから、一流の指導者を招へいし、2020年東京五輪に向けた強化プランを実行している。五輪開催国として、日本代表はすでに出場権を得ているが、男子は1988年ソウル五輪以来32年ぶり、女子は1976年モントリオール五輪以来44年ぶりとなる五輪の舞台に、単に「参加するだけ」で終わるのか、それとも、予想を裏切るような「サプライズ」を起こすのか。準備のために残された時間はあまり長くない。

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