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フィギュアスケートGPシリーズ・ロステレコム杯の見どころ 女子シングル部門のハイレベルな混戦に注目

文: Nick McCarvel/訳:角谷剛 ·

グランプリシリーズが戻ってきた。現在のフィギュアスケート界において、もっとも有名な選手たちがモスクワに集結して競い合う。この大会の見どころを5つあげてみた。

国際スケート連盟(ISU)グランプリシリーズの今シーズン3戦目、ロステレコム杯が今週末にモスクワで開かれる。我々はそこに世界トップレベルの選手たちの争いを見ることになる。

今シーズン前半に中国とロシアで開かれた大会に続いて、現在フィギュアスケートの世界においてもっとも強力なラインアップを擁するロシアがモスクワでグランプリ大会を開催する。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、カナダとフランスで予定されていたグランプリ大会は中止された。そしてこのロステレコム杯も移動制限のため、出場選手はロシア人アスリートと近隣諸国のアスリートのみに限定されている。

だが、そのことはこの大会出場選手のレベルが低くなることを意味しない。むしろ、その逆だ。アリョーナ・コストルナヤ、アレクサンドラ・トゥルソワ、そしてアンナ・シェルバコワの3人組は昨年のグランプリシリーズで行われた6大会で金メダルを独占した。彼女らが女子シングル部門の金メダルを争うだけではなく、男子シングル部門には復活したミハイル・コリヤダが戻ってくる。ペア部門とアイスダンス部門でも世界トップのスケーターたちが集まってくる。

2018年平昌オリンピック金メダリストのアリーナ・ザギトワと同じく銀メダリストのエフゲニア・メドベージェワは欠場する。メドベージェワは今シーズン前半にエテリ・トゥトベリーゼ門下に復帰したものの、背中の故障に悩まされている。ザギトワは2019年12月以来、競技から遠ざかっており、グランプリシリーズではリンクの外での役割を担っている。現在はロシアでスケートのテレビシリーズでホスト役も務めている。

最初の競技はモスクワ時間で11月20日午後1時30分(日本時間同日午後7時30分)に開始される。この大会の見どころを5つ紹介する。

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女子シングル部門:コストルナヤ、トゥルソワ、シェルバコワの直接対決

コストルナヤ、トゥルソワ、シェルバコワは昨年のグランプリシリーズでそれぞれが2個の金メダルを獲得した。今シーズンで最もレベルが高い女子競技になることは間違いない。コストルナヤとトゥルソワはトゥトベリーゼ一門から離れ、現在は元オリンピック金メダリストのエフゲニー・プルシェンコに師事している。コストルナヤは昨年のグランプリ・ファイナルとヨーロッパ選手権をともに制し、中止となった世界選手権でも金メダル候補の筆頭に挙げられていた。

この中から誰が今週末のトップに躍り出るかを予想することは困難ではあるが、今月カザンで行われたロシアフィギュアスケート選手権の大会で、トゥルソワがコストルナヤを抑えたことはひとつの判断材料にはなる。そこでトゥルソワは4回転トウループを3回成功させ、フリープログラムで171.21点、総合で248.63点を獲得し、コストルナヤを22点上回った。

勝敗を分けるカギは4回転ジャンプになるかもしれない。トゥルソワも現ロシアチャンピオンのシェルバコワも4回転ジャンプを跳ぶが、コストルナヤにはそれがない。シェルバコワは10月後半に行われた別のロシアフィギュアスケート選手権のステージで239.91点を獲得して、その大会を優勝している。

それ以外の注目選手として、2015年世界チャンピオンのエリザベータ・トゥクタミシェワ(今週初めに4回転ジャンプを成功させた動画をインスタグラムに投稿した。3回転アクセルも持っている)と2019年ヨーロッパチャンピオンのソフィア・サモドゥロワらの名前を挙げることができる。

男子シングル部門:コリヤダがモスクワで新たな姿を見せる

ロシアチャンピオンに2回輝き、2018年の世界選手権では銅メダルを獲得したコリヤダにとって、復活をかけるこの大会は2か月前の自分に戻ることに他ならない。25歳のコリヤダは昨シーズンを副鼻腔炎(のちに鼻の手術を受けた)により欠場し、このオフシーズンからは名コーチであるアレクセイ・ミーシン氏の指導を受けている。

ライバルとなるドミトリー・アリエフは現ロシアとヨーロッパのチャンピオンであるし、モリス・クヴィテラシヴィリ(グルジア)もあなどれない存在だ。現世界ジュニアチャンピオンのアンドレイ・モザリョフ(17歳)は今大会で国際シニア部門のデビューを果たす。モザリョフは今年の初めにローザンヌ(スイス)で行われたユースオリンピックでも銀メダルを獲得している。同じく17歳のエフゲニー・セメネンコも注目に値する。

コリヤダは先月のロシアフィギュアスケート選手権第3ステージで優勝した後で、このようなコメントを残している。

「私たちは軌道に乗っています。取り組むべき課題は常にあります。ミーシン氏は新鮮な目で私を見てくれます」

ミハイル・コリヤダ(OAR)- 8位 | 男子フリースケーティング

男子フリースケーティングは2018年2月17日土曜日に江陵アイスアリーナで行われた。

アイスダンス部門:ヴィクトリヤ・シニツィナとニキータ・カツァラポフはやり残したものを手に入れることはできるか?

我々が最後にヴィクトリヤ・シニツィナとニキータ・カツァラポフを国際アイススケートの舞台で目にしたのは、1月のヨーロッパ選手権で彼らが世界選手権で4回の優勝を誇るガブリエラ・パパダキスとギヨーム・シゼロンを僅差で下し、金メダルを獲得したときのことだ。フランスの同チームにとっては2018年オリンピック以来の敗北だった。

このロシアチャンピオンに2回輝いた現王者を脅かすのはアレクサンドラ・ステパノワとイワン・ブキンだと思われていたが、彼らはこのロステレコム杯から欠場することを決めている。新型コロナウイルスに感染したためで、タス通信に彼らが語ったところによると、彼らは未だ回復の途上にあり、競技に復帰する準備ができていないとのことだ。

ティファニー・ザホースキとジョナサン・ゲレイロは出場するが、ザホースキもまた今年の前半に新型コロナウイルスに感染している。

ペア部門:表彰台を狙うトップチームたち

先週末に行われたロシアフィギュアスケート選手権第4ステージで、我々はモスクワで繰り広げられるであろうベスト・ペアの演技をプレビューで見ることができた。アナスタシヤ・ミーシナとアレクサンドル・ガリャモフのペアが優勝し、エフゲーニヤ・タラソワとウラジミール・モロゾフのペアが2位、アレクサンドラ・ボイコワとドミトリー・コズロフスキーのペアが3位で、このレベルの高い大会の表彰台を彩った。

タラソワとモロゾフのペアはモスクワの大会には出場しないが、2019年世界ジュニアチャンピオンのミーシナとガリャモフのペアと現ロシアとヨーロッパのチャンピオンであるボイコワとコズロフスキーのペアは出場する。さらに2020年のローザンヌ・ユースオリンピックで金メダルを獲得したアポリナリア・パンフィロワとドミトリー・リロフも出場者に加わる。この3組のペアで昨年の世界ジュニア大会の表彰台を独占しているのだ。

ダリア・パヴィリチェンコとデニス・ホディキンのペアもロシアのトップチームの一員ではあるが、ホディキンが病気であることを理由に欠場する。彼らのコーチによれば、新型コロナウイルスではないとのことだ。

ペアフリープログラム - ハイライト | ユースオリンピック冬季競技大会2020

ペアフリープログラムを終え、パンフィロワ/リロフ(ロシア)が金メダルを獲得。ムハメツィアノワ/ミロノフ(ロシア)は銀メダル、ブタエバ/ベルラバ(ジョー...

ザギトワ、メドベージェワ、そして欠場する他の有名選手たち

18歳になったザギトワが出場しないことは驚きではない。前回のオリンピック金メダリストであり、2019年の世界選手権も制した彼女は、少なくとも2021年まではスケートから離れることを先月に明言しているからだ。

ザギトワは今月初めのインタビューで復帰するかどうかさえも彼女自身が分からないと発言している。「どうなるでしょう」と彼女は『Match TV』で言った。「新型コロナウイルスの状況もとても厳しいですし」。

メドベージェワはスケート競技への復帰にまだ望みを持っている。だがファンは彼女が背中の故障に悩まされていることを知っている。そのためにロシア杯の出場者リストからも外されているのだ。

タラソワとモロゾフのペア、パヴィリチェンコとホディキンのペア、そしてステパノワとブキンのペアも欠場する。そして現世界ジュニアチャンピオンであるカミラ・ワリエワにも今回のロステレコム杯でのチャンスはない。14歳の彼女は国際シニア競技に出場する資格がまだないからだ。

原文:Packed women’s field highlights figure skating at Rostelecom Cup