マラソンスイミングの起源と歴史|オリンピック競技の起源

マラソンスイミングはその名の通り、陸上で行われるマラソンの水泳版と言える競技だ。マラソンスイミングで泳ぐ距離は10キロだが、ゴールまでに掛かる時間はマラソンと同じく約2時間。人工のプールではなく、海や湖、池、河川といった自然の中で競われるスポーツだ。

東京五輪のマラソンスイミングはお台場海浜公園で行われる
東京五輪のマラソンスイミングはお台場海浜公園で行われる東京五輪のマラソンスイミングはお台場海浜公園で行われる

■マラソンスイミングは何から起こった?いつから競技化?

マラソンスイミングを含むオープン・ウオーター・スイミング(OWS)について、FINA(国際水泳連盟)は最も古く、同時に最も新しい種目だと説明している。最も古いとは1837年、世界初とされる競泳大会がイギリス・ロンドンのハイドパーク内サーペンタイン・レイク(人工池)で行われたことに関係している。近代オリンピックも第3回までプールではなく、オープンウオーター(競技用のプールではない、海や湖など野外の水域)で行われていたため、OWSは最古の水泳種目ということになる。

人類にとって水泳とは、長らくOWSと同義であったが、近代スポーツとして注目される1つのキッカケは1875年、マシュー・ウェッブが英仏海峡、ドーバー(英国)からカレー(フランス)を単独で泳ぎ切ったことだとされている。しかし、競技としてのOWSが盛んに行われるのは1980年代、オーストラリアでのこと。その後、10キロを泳ぐOWS種目・マラソンスイミングがオリンピック種目に加わったのは、2008年の北京五輪からだった。これが、最も新しい種目と呼ばれる理由だ。

OWSは海・川・湖など自然環境を舞台としているため、相応の泳力と特有の技術が必要とされる。日本水泳連盟(JASF)では、OWS検定制度を導入。必要な泳力や技術を確実に身につけ、力量を把握し、ステップアップを図ることを推奨している。

■強豪国とその背景は?

オリンピックでは北京・ロンドン・リオデジャネイロの3大会、男女1種目ずつが開催されており、延べ18名のメダリストが誕生しているが、そのうち15名の国籍はヨーロッパ諸国となっている。世界水泳2019光州(韓国)でも、男子10キロはヨーロッパ勢が表彰台を独占。一方、女子10キロはヨーロッパ優位から変化が見られ、シン・シン(中国)が金メダル、ヘイリー・アンダーソン(アメリカ合衆国)が銀メダルを獲得する結果となった。

マラソンスイミングは当初、OWSを専門とする選手が強い傾向にあったなか、オリンピックの正式種目となったことで、競泳長距離の選手が参戦。レースは高速化することになる。競泳で無類の強さを見せる米国だが、マラソンスイミングのメダルは、アンダーソンがリオデジャネイロ五輪で獲得した銀1つのみ。今後は米国や、競泳の競争力が高い中国、豪州などの選手が参戦することで、その勢力図は大きく変化するかもしれない。

■どんなリーグや大会がある?

OWSはオリンピックのほか、2年に一度開催されるFINA世界水泳の種目にも採用。FINAは、年間を通じて競技を行うマラソンスイミング・ワールドシリーズを主催している。2020年の第1戦は1月にドーハ(カタール)で開催され、その後もヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアと転戦。全10戦を行う予定だったが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、第2戦から第5戦までが中止、第6戦は延期となっている。また、複合競技のトライアスロンやバイアスロンの「水泳」もOWSであることが多い。

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