リーグの垣根超え、日本バスケ界が一丸となりメダル獲得目指す3×3男子日本代表

2017年6月9日(金)、国際オリンピック委員会(IOC)の理事会がスイスのローザンヌで行われ、2020年の東京オリンピックの正式種目として3人制のバスケットボール「3×3(スリー・バイ・スリー)バスケットボール」が追加採用されることが決まった。
現在、日本代表チームは2019年2月の段階で、世界ランキング4位につけており、2020年の東京五輪でのメダル獲得に向けて、着々と強化を進めている最中だ。

東京五輪の新種目となる3x3バスケットボール
東京五輪の新種目となる3x3バスケットボール東京五輪の新種目となる3x3バスケットボール

日本では1990年代前半、バルセロナ五輪でマイケル・ジョーダンやマジック・ジョンソン、ラリー・バードなど NBAのスーパースタープレーヤーたちが、その圧倒的な強さで世界を魅了した「ドリームチーム」や、日本のバスケットボールのバイブル的コミック『スラムダンク』の登場に端を発し、ブームとなった「3on3(スリーオンスリー)」に馴染みがあるかもしれないが、2007年に国際バスケットボール連盟(FIBA)が世界統一のルールを制定し、新たに「3×3(スリー・バイ・スリー)」として競技をスタートさせている。

スピーディーかつパワフルな展開に目が離せない

主なルール及び5人制との違いは、コートの大きさは横15メートル×縦11メートルで、5人制バスケットボールの約半分の広さ。ボールは6号級の大きさで7号級の重さのものを使用する。試合時間は10分間の1ピリオド制。ただし、21点以上を先取した時点で勝利となる「ノックアウトルール」がある。得点はアークと呼ばれる5人制で言うスリーポイントラインの外側からのシュートが2点、内側が1点、フリースローが1点となる。攻撃側がシュートを打つまでの制限時間「ショットクロック」は5人制の24秒に対し、その半分の12秒だ。

つまり、両チームが5人制の約半分のコートで、12秒という短い時間に得点を狙いにいくため、シュートはどんどんと放たれ、素早いトランジションで試合は進む。また、おのずとゴール下でのボディコンタクトも増えるとあって、試合内容はパワフルだ。バスケットボールの醍醐味が、10分と言う短い時間に凝縮されており、ノックアウトルールの緊張感も手伝って、観るものを瞬時に引き込む魅力が3×3にはある。さらに、アークの外側からのシュートが、通常のシュートの倍に相当するため、体格で諸外国のチームに劣っていても、スピードとシュート力で勝負すれば、世界と互角に渡り合える可能性がある。これは日本にとって大きなメリットとなる。

日本代表チームは2019年2月の段階で、世界ランキング4位につけている
日本代表チームは2019年2月の段階で、世界ランキング4位につけている日本代表チームは2019年2月の段階で、世界ランキング4位につけている

注目の選手選考。ワールドカップではBリーガーを選出

日本代表が参加した直近の大会は、2018年6月にフィリピンのマニラで開催された「FIBA 3×3ワールドカップ(W杯)」。スロベニア、ポーランド、エストニア、インドネシアと同組のプールBに入った日本は、惜しくも決勝トーナメント進出を逃してしまい、悔しさの残る大会となってしまった。このときに代表入りを果たしたのが鈴木慶太(RBC東京/TOKYO DIME.EXE)、小松昌弘(RBC東京/TOKYO DIME.EXE)、原修太(千葉ジェッツ)、落合知也(BREX.EXE)の4選手だ。見ての通り、3×3のカリスマプレーヤーに、現役及び元Bリーグプレーヤーを加えたハイブリットなチーム編成となっている。2020年東京五輪に向け、注目すべきは、鈴木慶太、小松昌弘、原修太の3人だろう。

“K-TA”こと鈴木慶太は、RBC東京とTOKYO DIME.EXEに所属する3×3のカリスマ的な存在だ。高校時代までを過ごしたアメリカでは、学年別代表チームのトライアウトに合格するなど、地域のリーグ戦で活躍。帰国後、一度バスケットボールから距離を置くが、23歳で3×3の道を選び、ストリートでその名を馳せてきた第一人者だ。2020年で39歳を迎える大ベテランだが、衰えぬ情熱と経験でチームを牽引する。

小松昌弘はRBC東京とTOKYO DIME.EXEで、鈴木慶太のチームメイトとしてプレー。高校、大学と輝かしい実績を残し、その後は実業団チームで活躍。2015年より3×3に転向し、日本選手権で3連覇を果たす。国際大会に精力的に出場するなど、その経験値は代表メンバーの中で随一だろう。フィジカルの強さとシュート力を武器に、あらゆる役割をこなせるオールラウンダーとして躍動するベテランは、日本のキーマンと言えるだろう。

コートの大きさは横15メートル×縦11メートルで、5人制バスケットボールの約半分の広さ
コートの大きさは横15メートル×縦11メートルで、5人制バスケットボールの約半分の広さコートの大きさは横15メートル×縦11メートルで、5人制バスケットボールの約半分の広さ

原修太はBリーグの千葉ジェッツに所属。W杯で唯一、Bリーグから選出された選手だ。国士舘大学在学中からアーリーエントリーで千葉ジェッツに加入。スピードと得点力に定評があり、ここ数年でさらに強靭なフィジカルも手に入れ、現在のチームの躍進に貢献。24歳とまだまだ若い原は、これから世界を舞台に経験を積むことで、さらなる成長が期待されている。また、Bリーグから3×3へとコートを移し、どこまで活躍できるかに注目が集まる。

最初のハードル、世界ランク上位で出場国入りなるか

2018年の11月、FIBAより東京五輪の出場条件に関する発表があった。出場枠は男女ともに8カ国。そのうち4カ国は、FIBAの世界ランキングの上位、そして残る4カ国は2度の予選トーナメントが予定されており、最初に3カ国、ラストチャンスとして1カ国に出場権が与えられる。日本は2月発表の世界ランキングで、セルビア、ロシア、スロベニアに続いて4位と好位置につけている。

オリンピックまで残り1年あまり。もはや「待ったなし」の状況ではあるが、ベテランと若手の融合、リーグの垣根を超え、切磋琢磨することができれば、まだまだチームの伸びしろはある。初採用で地元開催のオリンピック。目指すはメダル獲得あるのみだ。これから3×3日本代表がどのような戦いを見せ、成長を遂げて行くのか、バスケットボールファンの期待は大きく膨らんでいる。

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