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ローザンヌ2020ユースオリンピックで日本勢が躍動! 過去最多となる12個の金メダルを獲得

「フィギュア王国」として面目躍如。スノーボード勢も大活躍

文: オリンピックチャンネル編集部 ·

2020年1月9日から22日まで、スイスのローザンヌでユースオリンピックが開催された。過去最多の79カ国・地域から1、2022年北京冬季五輪の主役となるだろう15歳から18歳までの若きアスリートたちの872人が参加。連日熱戦が繰り広げられた大舞台を、日本代表の活躍を中心に振り返る。

ローザンヌ2020ユースオリンピックで日本のティーンエイジャーたちが躍動。合計24個のメダルを獲得した

日本は12個の金を含め、24個のメダルを獲得

冬季ユースオリンピックは本家オリンピック同様、4年に一度開催される。3回目となった今大会では、スキー、スケート、アイスホッケー、山岳スキー、ボブスレー・スケルトン、リュージュ、カーリング、バイアスロンの8競技が行われた。

スキー競技はアルペンスキー、クロスカントリー、ジャンプ、ノルディック複合、フリースタイル、スノーボード、スケートはスピードスケート、フィギュアスケート、ショートトラックに細分化されている。

日本勢が特に好成績を残したのは、スピードスケート陣だ。ショートトラックの男子500メートルでは山本悠乃(ゆうだい)が今大会日本選手初の優勝。1500メートルでは蟻戸一永(ありと・もとなが)が1分52秒24をたたき出して表彰台の頂点に立った。蟻戸はマススタートで2つ目の金メダルを手にし、その名を世界にアピールしている。

今大会日本選手初の優勝を果たしたのは山本悠乃(ゆうだい/手前)。ショートトラックの男子500メートルを制した

スピードスケートでは、女子の1500メートルで高橋侑花が2分10秒58の記録で銀メダルを獲得。性別や国、地域を超えた国内オリンピック委員会(以下NOC)混合種目では、スピードスケートの混合リレーで吉田雪乃が参加したTeam3が金メダル、蟻戸のTeam16が銀メダルと、日本人選手がしっかりと結果を残している。

また、アイスホッケーの女子NOC混合3on3では佐藤礼那の所属するBlackチームが2位、3位決定戦では草間悠羽(ゆな)のBlueチームが、松本理子のBrownチームに6−4で競り勝ち、表彰台に滑り込んだ。さらに、アイスホッケー女子日本代表の決勝戦では、スウェーデンに4−1で勝利し、この種目でユースオリンピック初の金メダルを獲得。日本アイスホッケー連盟が10年ほど前から、18歳以下のジュニア世代の強化に注力してきたことが実を結んだ。

最終的な日本のメダル獲得数は、他国との混成チーム種目を含めると金12、銀10、銅2の計24個。金メダル、メダル総数ともに過去最多となった。なお、日本が単独で獲得した金メダルは9個だった。

アイスホッケーは国や地域を超えた混合戦も行われた。佐藤礼那(右)はBlackチームで銀メダル、草間悠羽(ゆな/左)はBlueチームで銅メダルの結果を残した

鍵山優真は逆転金! スノーボード勢は金4個、銀3個の快挙

「フィギュア王国」として表彰台の常連国となっている日本は、今大会でも男女ともに堂々たる滑りを見せた。

とりわけ、2019年12月の全日本フィギュアスケート選手権で宇野昌磨、羽生結弦に次いで3位に入った16歳の鍵山優真の評価は急上昇だ。今大会のショートプログラム(以下SP)では3位とやや出遅れたものの、フリーで自己ベストとなる166.41点をマーク。大舞台の緊張をものともせず、2本の4回転トウループと、基礎点が1.1倍となる演技後半のトリプルアクセルを見事に決め、合計を239.17点とし、逆転優勝を成し遂げた。帰国後、鍵山は「他競技の人との交流も楽しかったし、いい経験になった」と発言。「北京五輪を狙っていきたい」と早くも2年後を見据えている。

全日本選手権で3位の好成績を収めたばかりの鍵山優真は、フリーで自己ベストとなる166.41点をマークして金メダルを手にした

世界にその名をとどろかせたのは、鍵山だけではない。スノーボード勢は4つの金に加え、3つの銀という驚異の成績を残した。半円筒状の雪の上を滑り、ジャンプなどの技を決めるハーフパイプ、そして30メートル以上の高さからの急斜面を滑降し、ジャンプ台から飛んで空中で技を見せるビッグエアでは、男女ともに日本人選手が表彰台の頂点に立つ偉業を成し遂げた。

2019年の世界ジュニア選手権覇者の平野流佳(るか)は、ハーフパイプ決勝の1本目で94.66とトップに立つと、2本目で97.33と得点を伸ばして金メダルを獲得。平昌五輪の銀メダリストである平野歩夢(あゆむ)を兄に持つ平野海祝(かいしゅう)は2本目で95.66をたたき出し、銀メダルに輝いた。

スノーボードの女子では、こちらも世界ジュニア選手権王者の15歳の小野光希が95.33点で金、同じく15歳の鍛治茉音(かじ・まのん)が85.33点で銀を獲得した。ビッグエアの男子では木俣椋真(りょうま)が195.00点で金、川上蒼斗(あおと)が191.75点で銀、女子では浅沼妃莉(ひなり)が12.50点で金と、日本勢が表彰台を独占した。

久保田真知子(写真)を含むスキージャンプ混合団体では、銀メダルという結果を残した。久保田はノルディックスキーのジャンプで5位に食い込んでいる

さらに、日本の「お家芸」ともいえるスキージャンプ混合団体では、宮﨑彩音(あやね)、久保田真知子、工藤漱太(そうた)、西方優人の4選手が躍動。予選を通過した日本代表チームは決勝ラウンドでも466.4点を記録し1回戦と合わせて938.0点に得点を伸ばした。オーストリアに次いで銀メダルを手にしている。

個人戦でもその才能を遺憾なく発揮したのが世界ジュニア選手権王者の宮﨑だ。クロスカントリースキーとスキージャンプを合わせて行うノルディックスキー複合で、ジャンプ3位、クロスカントリー2位という活躍を披露し、団体戦と同じく銀メダルに輝いて笑顔を見せた。

全日本ジュニア女王の河辺愛菜は4位。惜しくもメダルを逃したが、「こういう大会にまた出たい」と前を向いた

アイスホッケー男子は金メダル獲得の女子の勢いにあやかれるか

男子では鍵山が見事表彰台の頂点に立ったフィギュアスケートだが、女子では悔いの残る結果となってしまった。

SPで4位発進だった全日本ジュニア女王の河辺愛菜は、フリーで3位と一つ順位を上げたものの、合計185.22点で惜しくも4位。韓国の劉永(ユ・ヨン)がSP、フリーとも1位の合計214.00点で圧勝し、差を見せつけられた。演技終了後、メダルを逃した河辺は「実力不足です。もっと練習しないと戦えない」と、肩を落とした。もっとも、帰国時には「フリーがノーミスでできるように練習したい」「こういう大会にまた出たい」とジュニア世代らしく切り替えの早さを見せ、北京五輪に目を向けた。今年の10月でようやく16歳を迎える河辺は、今後は全国中学大会、世界ジュニア選手権に出場予定。のびしろは無限大だ。

カーリングの混合団体には、前田拓海(たくみ)、中原亜星、田畑百葉(ももは)、小林未奈と、北海道の高校生4人が出場。ローザンヌから60キロほど離れたシャンペリーという街で行われた決勝でノルウェーに4−5で惜敗し銀メダルに終わったものの、ユースオリンピックにおいて同種目のメダル獲得は初となっている。

カーリングの混合団体では北海道の高校生4人が銀メダル。左から前田拓海(たくみ)、田畑百葉(ももは)、中原亜星、小林未奈

また、前述したように頂点に立ったアイスホッケー女子代表に比べ、日本代表チームとして今大会の出場権すら獲得できなかった男子代表は、女子の勢いにあやかりたいところだ。

シニアを含めアイスホッケー男子代表が冬季五輪に出場したのは、開催国枠を与えられていた1998年長野大会が最後。2月から始まる北京五輪予選に向け、「責任もあるし、覚悟を持ってやらないといけない」と、岩本裕司監督は決意を語った。現在世界ランキング23位につける日本は3次予選で、18位のスロベニア、24位のリトアニア、2次予選を突破した29位のクロアチアと総当たり戦を行い、8月の最終予選をめざす。