卓球グランドファイナルの見どころ:15歳での最年少優勝から一年、張本智和は連覇を果たせるか

東京五輪代表争いが白熱、石川佳純と平野美宇に注目

卓球のワールドツアー・グランドファイナルが12月12日から15日にかけて中国・鄭州(ていしゅう)で行われる。すでに東京五輪代表が内定している張本智和と伊藤美誠は、2020年の夏に向けてはずみをつけることができるか。一方、残り1枠をめぐる女子シングルスの代表争いも熾烈を極める。

張本智和は昨年のグランドファイナルで優勝。直近の卓球男子ワールドカップでは日本男子初の銀メダル獲得と調子を上げている
張本智和は昨年のグランドファイナルで優勝。直近の卓球男子ワールドカップでは日本男子初の銀メダル獲得と調子を上げている張本智和は昨年のグランドファイナルで優勝。直近の卓球男子ワールドカップでは日本男子初の銀メダル獲得と調子を上げている

昨年は張本智和が15歳172日で最年少優勝

昨年のワールドツアー・グランドファイナルは、張本智和が卓球界を驚愕させた大会だった。15歳172日と、男女シングルスの大会史上最年少記録で優勝。世界のトップ16選手のみが出場する舞台で、日本の若きエースが次々と難敵を打ち破った。

準決勝では、想定外の出来事もあった世界ランク1位の樊振東(ファン・ジェンドン/中国)との激突が予想され、張本も心構えていたが、樊振東が準々決勝でまさかの敗退。王者を撃破し勝ち上がってきたのは、約9カ月前の3月のカタール・オープンで張本が0−4と完敗を喫したカルデラノ(ブラジル)だった。それでも、初優勝に向けて意気込む張本の闘志が勝った。パワーを強みとするカルデラノに対して、コースを突いた柔軟なプレーで応戦。張本は4セットを連取し、ストレート勝ちで決勝へと駒を進めた。

決勝は当時世界ランク5位の張本にとって、格上の林高遠(リン・ガオユエン/中国)が相手だったが、当時世界ランク4位の実力者を前に、再び張本は「大人の卓球」を見せた。カウンターを狙う戦術で第1セットを奪うと、第2セットこそ落としたものの、第3、第4セットはロングサーブを生かした速攻で得点を重ねた。第5セットは林高遠のカウンターに苦しめられたものの、勝負どころで繰り出したロングサーブが効き、ラストはストレートのチキータで決着をつけた。

すでに東京五輪の男子シングルス代表枠を確保している張本だが、今大会は前回王者の意地をかけ、負けるわけにはいかない。11月末から行われた卓球男子ワールドカップでは日本男子初の銀メダル獲得と調子を上げており、今大会での活躍も期待される。

水谷隼は世界ランクのポイントで丹羽孝希よりやや下回る。今回のグランドファイナルでベスト4以上を狙う
水谷隼は世界ランクのポイントで丹羽孝希よりやや下回る。今回のグランドファイナルでベスト4以上を狙う水谷隼は世界ランクのポイントで丹羽孝希よりやや下回る。今回のグランドファイナルでベスト4以上を狙う

逆転で東京五輪狙う水谷隼はベスト4以上が必須

男子シングルスは、「追われる立場」となった張本が「卓球王国」中国とハイレベルな戦いを繰り広げる展開が予想される。12月発表の世界ランクで上位を占めるのは中国勢だ。1位の許昕(シュー・シン)、2位の樊振東(ファン・ジェンドン)、3位の林高遠(リン・ガオユエン)、4位の馬龍(マー・ロン)という中国人の4名はいずれも出場予定。張本は同5位で、中国勢は格上と言っていい。

日本勢は張本のほか、水谷隼が出場予定となっている。2010年と2014年にグランドファイナルでの優勝経験がある水谷にとって、今大会は五輪代表権獲得に向けた正念場だ。男子シングルスの残り1枠は水谷と丹羽孝希(にわ・こうき)の一騎打ちの状態となっており、2019年12月発表の世界ランクでは丹羽が135ポイントの差をつけてやや優位に立っている。

12月上旬のチャレンジプラス・ノースアメリカンオープンへの出場を回避した水谷は、今大会でベスト4以上の成績を残して丹羽のポイントを上回ることにかけている。一方の丹羽は今大会のグランドファイナルはリザーブ登録で、参加予定選手に棄権が発生した場合のみ繰り上がりで出場可能となっている。出場できれば五輪代表が大きく近づくが、チャンスがめぐってこなかった場合には水谷の結果待ちとなる。

なお、水谷は伊藤美誠とペアを組む混合ダブルスにも出場予定で、メダル獲得が有力視されている。

シングルスの東京五輪代表代表を内定させている伊藤美誠(右)。11月のオーストリアオープンで優勝を果たしてる
シングルスの東京五輪代表代表を内定させている伊藤美誠(右)。11月のオーストリアオープンで優勝を果たしてるシングルスの東京五輪代表代表を内定させている伊藤美誠(右)。11月のオーストリアオープンで優勝を果たしてる

東京五輪内定の伊藤美誠は昨年、初戦敗退の屈辱

女子シングルスは伊藤美誠、石川佳純、平野美宇、佐藤瞳の4名が出場する。

シングルスの東京五輪代表条件をすでに満たしている伊藤は、昨年の同大会初戦で台湾のエース鄭怡静(チェン・イーチン)と当たり、フルゲームの末に3−4で敗れる屈辱を味わった。雪辱を誓う今大会は、東京五輪でのシード順に影響する世界ランクを上げるためにも、好成績を収めてポイントを上積みさせたいところだ。

女子シングルスの代表は残り1枠。石川佳純(左)と平野美宇(右)が東京五輪行きのチケットをめぐる争いを繰り広げる
女子シングルスの代表は残り1枠。石川佳純(左)と平野美宇(右)が東京五輪行きのチケットをめぐる争いを繰り広げる女子シングルスの代表は残り1枠。石川佳純(左)と平野美宇(右)が東京五輪行きのチケットをめぐる争いを繰り広げる

まだオリンピック行きの切符をつかんでいない石川と平野は、今大会にかける思いを一層強く抱いている。両者の世界ランキングポイントは12月発表時点で190ポイント差で石川がリード。過去2大会オリンピック出場経験のある石川は実績十分だが、平野も2017年のアジア選手権や2018年の全日本卓球選手権大会で準優勝を果たすなど確かな実力を持つ。今大会の結果によりどちらが五輪代表になってもおかしくない。昨年のグランドファイナルでは初戦で両者による日本人対決が実現し、石川が4−1で平野を退けている。

ダブルスには、平野と芝田沙季ペアが出場するほか、15歳&17歳と若い木原美悠と長崎美柚の「みゆう」ペアにも注目だ。2人は11月に行われたワールドツアー・オーストリアオープンで頂点に立ち、ワールドツアー初優勝を果たした。昨年のグランドファイナルでは伊藤&早田ひなペアが優勝している種目だけに、日本勢連覇への期待も高まっている。

  • 男子決勝 - 卓球 | YOGブエノスアイレス2018

    男子決勝 - 卓球 | YOGブエノスアイレス2018

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