堂安律:目標は「日本人史上、最高の選手になること」。すでに日本代表入りを果たしたヤングスターは東京五輪の主役候補

19歳からオランダリーグでプレーし、実力を磨く
ヨーロッパでの評価も高く、イングランドの強豪マンチェスター・シティなどが動向を追っているという
ヨーロッパでの評価も高く、イングランドの強豪マンチェスター・シティなどが動向を追っているというヨーロッパでの評価も高く、イングランドの強豪マンチェスター・シティなどが動向を追っているという

オランダリーグを主戦場とする堂安律(どうあん・りつ)は、日本代表の一員としても活躍を続ける。これまでのキャリアや世界も注目するそのプレースタイル、そしてアジアカップに向けての意気込み、将来の目標などをはじめ、2020年東京五輪でチームの中心になるだろう男をクローズアップする。

高校2年生でプロデビュー

出身は兵庫県尼崎市。1998年6月16日に生まれた。

中学進学と同時にJリーグクラブ、ガンバ大阪のジュニアユースに加入した。高校時代もG大阪ユースのメンバーとして活動していたが、2015年に転機が訪れる。高校2年生の時、G大阪のトップチームに2種選手として登録されたのだ。これにより、高校生年代のチームに所属しながらJリーグの公式戦に出場が可能となった。

ここから堂安律のキャリアは一気に加速する。

トップチームへの登録から間もない2015年5月、FCソウルとのアジアサッカー連盟(以下AFC)チャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦でプロデビューを飾る。16歳の若さだった。6月にはJ1リーグ第10節、鹿島アントラーズ戦のピッチに立ち、クラブ史上最年少でのリーグ戦出場を果たした。

高校3年生になった2016年には、飛び級でトップチームに昇格。主にG大阪U−23の一員として活躍し、J3リーグで21試合出場10得点を記録している。

Jリーグでのプレー同様、年代別の代表チームでも躍動する。パスも得点もできる能力を遺憾なく発揮した。

2016年10月のAFC U−19選手権では攻撃陣の主力としてチームをけん引し、5大会ぶりとなるFIFA U−20ワールドカップ(以下W杯)出場権獲得に貢献。日本が優勝を飾った同大会ではMVPに選出されるとともに、U-20W杯での4試合3得点という活躍も高く評価され、2016年12月にはアジア年間最優秀ユース選手賞を受賞した。

高校2年生の時、G大阪のトップチームに。すぐにAFCチャンピオンズリーグという国際舞台も経験している
高校2年生の時、G大阪のトップチームに。すぐにAFCチャンピオンズリーグという国際舞台も経験している高校2年生の時、G大阪のトップチームに。すぐにAFCチャンピオンズリーグという国際舞台も経験している

ヨーロッパのビッグクラブも注目する存在感

2017年6月、G大阪からオランダ1部リーグのフローニンゲンへ期限付き移籍を果たす。その後、2018年4月に完全移籍の契約を結んでいる。

ある取材で「すぐにチームに打ち解けたような記事が日本では出ていましたが、正直なところ時間は掛かりました」と語ったように、加入当初は苦労も少なくなかった。それでも、徐々に公私両面で存在感を発揮していく。初年度となる2017−18シーズンからレギュラーの座をつかみ、29試合出場9得点を挙げる活躍を見せ、ファンが選ぶ最優秀選手賞を手にした。

2018−19シーズンもチームの中核として攻撃をリード。その自信と責任感は、シーズン前半戦を終えた直後の本人のコメントからも読み取ることができる。

「(前半戦は)全然満足できていないですし、もっと自分はできたと思っています。チームとしても順位があまり良くないなかで、攻撃の中心としてやらせてもらっているので責任を感じます。課題としてはやっぱりゴールが少ないですし、前でやらせてもらっているのでもっとアシストやゴールの数字をつけていけたらなと思います」

2018−19シーズンの前半戦はフローニンゲンの公式戦全試合に出場し、4得点2アシスト。個人成績としては悪くないものの、自己評価は厳しい。

それでも、周囲の評価は日増しに高まっている。2018年10月には、フランスのサッカー専門誌『フランス・フットボール』が創設した21歳以下の最優秀選手に贈られる若手向けのバロンドール「コパ・トロフィー」の受賞候補選手としてノミネートされた。

その活躍にはヨーロッパのビッグクラブも注目しているようだ。イングランドの強豪マンチェスター・シティやオランダの名門アヤックスなどが彼の動向を追いかけているとの報道もある。

キーワードはドリブルとゴール

堂安は現在注目している選手として、イタリアの名門クラブ、ユベントスのアルゼンチン代表、パウロ・ディバラの名前を挙げる。雑誌のインタビューで次のように話している。

「ディバラはうまいし、点も取れる。ポジショニングやドリブルの運び方が勉強になります」

プレーの参考にすることからもわかるように、堂安のスタイルの特長も「ドリブル」と「ゴール」がキーワードとなる。

ドリブルはスピードの緩急を駆使して相手の逆を取ることに秀でており、足元の技術が優れるのはもちろん、持ち前の機敏さを生かして密集地帯を突破する。特に、右サイドから鋭い方向転換で中央に侵入していくドリブルには注目だ。

相手ゴール前でのアイデアや、強烈かつテクニカルなシュートも大きな武器。利き足である左足でボールにカーブを掛けたミドルシュートは、彼の得意な得点パターンの一つでもある。

中島翔哉(右)とともに、新生日本代表の顔として注目を浴びている
中島翔哉(右)とともに、新生日本代表の顔として注目を浴びている中島翔哉(右)とともに、新生日本代表の顔として注目を浴びている

「『東京オリンピック』という母国に対してのモチベーションがあります」

2018年9月11日には、本人も待ち望んでいた日本代表デビューを果たした。中島翔哉、南野拓実とともに、森保一(もりやす・はじめ)監督が率いる新生日本代表の顔として注目を浴びている。

2019年1月5日に開幕するAFCアジアカップUAE2019では、攻撃の中核としてチームを引っ張っていく。堂安は空港での囲み取材で、言葉に力を込めた。

「優勝することを目標にしているので、チームに貢献するためにハードワークだったり、自分の特徴でないところもがんばらないといけない。このチームに入っているということは、自分が得点やアシストができるということで選んでくれていると思うので、そういうところはチームに貢献できるところだと思いますし、そういったところを証明していきたいなと思います」

日本代表の主力を担うようになった今、フローニンゲン移籍を発表した2017年6月の記者会見での発言が思い出される。

「(2020年の)東京五輪までにA代表に入って活躍したいイメージを持っています」

彼のイメージは2年ほど早まって実現したと言っていい。堂安律という選手のキャリアの更新は、本人の想像を超える速度で進行している。単にオリンピックというよりも、『東京オリンピック』という母国に対してのモチベーションがあります」と話す堂安の視線は、はるか高みを見据えている。

「日本人史上、最高の選手になることが目標です」

2020年の東京五輪の開催まで待たなくてもいいかもしれない。その壮大な夢は、近い将来に現実のものになり得る——そう思えるほど、今の堂安律は充実したプレーを続けている。

  • アンドレア・ピルロ:イタリアサッカー五輪代表の中心

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