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女子バドミントン五輪代表候補の特徴は?|ハイレベルな代表争いを勝ち抜くのは

文: オリンピックチャンネル編集部 ·

東京五輪でのメダル獲得が期待されるバドミントン。日本女子はシングルス、ダブルスともに世界ランク上位に複数名(またはペア)が名を連ねている。とくに熾烈を極めるのが、世界一過酷とも言われる日本女子ダブルスの東京五輪出場枠争いだ。2枠を巡り、世界トップの3ペアが競っている。

■女子ダブルス:永原和可那/松本麻佑

長身から繰り出す角度のある強打が最大の強み

永原と松本は、高校卒業後に入部した北都銀行バドミントン部の同期としてペアを組むようになった。2018年にA代表入りを果たすと、初出場の世界選手権では、3回戦でリオ五輪金メダリストの髙橋/松友ペアにストレート勝ち。決勝では過去6戦6敗と相性の悪かった福島/廣田ペアをフルセットの末に打ち破り、日本勢41年ぶりの世界選手権制覇を達成した。さらに翌2019年の同大会も制し、女子ダブルスで日本勢初の連覇を成し遂げている。

永原は身長170cm、松本は177cmと高身長な二人の持ち味は、高い打点から繰り出される強烈なスマッシュだ。「どちらが前にいても強い」と相手ペアもうらやむ攻撃力は、東京五輪レース、そして本番でも大きな武器となる。

永原和可那(写真左)と松本麻佑(写真右)は二人とも170cmを超える長身ペア

■女子ダブルス:福島由紀/廣田彩花

波がなく安定した力を発揮するオールラウンダー

現在世界ランクは日本女子ダブルス最高位の2位につけ、五輪出場枠獲得レースで優位に立っている福島/廣田ペア。二人が初めてペアを組んだのは2013年。同年にはナショナルB代表にも選出されるなど順調に成長する。その後、少し伸び悩み、2016年のリオ五輪出場を逃した際には一度ペアを解消してお互い新たなパートナーとのプレーを試みた。しかし、その後、再びペアを結成すると、2017年の全日本総合では決勝でリオ五輪金メダルの髙橋/松友ペアを破り、初優勝。その後、世界トップへと駆け上がっていった。

スピードとレシーブ力が武器で、速いテンポのラリーを展開し、打ちこまれても素早く返球する。前後のポジションを素早く入れ替え、どちらも攻めに転じることができるのも彼女たちの強みだ。粘り強いプレーで試合をものにしてきた二人が、大一番で真価を発揮する。

五輪出場レースをリードするのは福島由紀(写真左)/廣田彩花(写真右)ペア

■女子ダブルス:髙橋礼華/松友美佐紀

経験値は他ペアを圧倒 熟練ペアが挑む五輪連覇

ロンドン五輪後に日本のトップペアに成長し、全種目を通じて日本人初となる世界ランキング1位にも上りつめた高橋礼華/松友美佐紀。リオ五輪では、世界選手権も含め20年間女王に君臨し続けた中国勢の牙城を崩した。

リオ五輪で金メダルに輝いた同ペアは、現在世界ランク上位につけながらも、日本で3番手と苦しい状況にある。しかし、結成10年以上を誇る経験値は、他ペアを圧倒する大きな武器になる。

もちろん、リオに続く五輪出場への道のりは平坦なものではない。ただ、ここ一番での底力は他には負けない二人。まずは出場枠をたぐり寄せ、彼女たちにしか成し遂げることができない、日本勢初のオリンピック連覇を狙いたい。

ロンドン金ペアの高橋礼華(写真右)/松友美佐紀(写真左)ペアは五輪連覇を目指す

■女子シングルス:奥原希望

昨季プロに転向 目指すは東京五輪の頂点

2016年リオ五輪では、シングルスで日本勢初の銅メダルを獲得した奥原希望。その視線の先にあるのは、ずばり東京五輪での金メダルだ。

リオ五輪後も2017年の世界選手権で日本勢40年ぶりの金メダルを獲得するなど、第一線で日本女子シングルスを牽引している。昨季は代表活動に専念し、東京五輪での金メダル獲得のため必要な試合だけに集中できるよう、プロ転向を決断した。昨年8月の世界選手権では準優勝、日本選手権では4年ぶりに優勝を果たすなど安定した成績を残し、同10月には初めて世界ランキングで1位となった。

相手のショットを何度も拾う粘り強い守りと緻密で繊細なショットで数々のタイトルをものにしてきた奥原だが、「現状維持では勝てないし、変化は恐れない」と現状に満足しない。その向上心と探究心が、彼女をさらに高みへと押し上げている。

シングルスの出場レースをリードするのは奥原希望(写真右)と山口茜(写真左)

■女子シングルス:山口茜

小柄ながらも抜群のセンスを生かしたプレーで魅了

 15歳で史上最年少代表入りを果たし、以来、日本女子シングルスをリードしてきた。19歳で初出場したリオ五輪では、奥原に敗れ、準々決勝で涙を呑んだが、その経験が山口をさらに強くした。

156cmと小柄ながら抜群のバドミントンセンスを生かした攻撃的なスタイルが持ち味で、一瞬の判断からの意表を突くショットで相手を翻弄する。類稀なバネを活かした躍動感あるプレーは見る者を魅了する。課題だった体力面が克服され、フットワークをさらに改善したことで、多彩なショットを高い精度で打てるようになった。

 昨年8月の世界選手権での1回戦負け以降、腰痛など怪我が続き、十分な練習が積めず試合感覚が取り戻せなかった。2020年は完全復活を遂げ、東京五輪では茜スマイルを期待したい。