平永健太:会社員ライダーは代表スタッフからアジア競技大会の金メダリストへ成長

30歳にして初の国際大会を経験

馬術競技では、オリンピックを含む世界大会での上位入賞を視野に、本場のヨーロッパを拠点に活動する日本人選手が多い。そのなかでやや異色の環境で東京五輪出場を狙うのが平永健太だ。本業は乗馬クラブの会社員。グループレッスンやマンツーマン指導を行いながら、地道に総合馬術の選手としての腕も磨いてきた。

アジア大会・総合馬術団体で金メダルを獲得した日本チーム。(左から)平永健太、弓良隆行、大岩義明、北島隆三/時事
アジア大会・総合馬術団体で金メダルを獲得した日本チーム。(左から)平永健太、弓良隆行、大岩義明、北島隆三/時事アジア大会・総合馬術団体で金メダルを獲得した日本チーム。(左から)平永健太、弓良隆行、大岩義明、北島隆三/時事

アジア大会の個人では第2日まで2位に

2018年8月、インドネシアのジャカルタで行われたアジア競技大会の総合馬術で日本チームが優勝を果たした。2大会ぶりの金メダル獲得に貢献したのが平永健太だ。

コンビを組んだのはデラーゴ号。2年ほどかけて連携と信頼関係を築き上げて来た。デラーゴ号との相性は最初から良かった。初めてコンビを組んだ2017年の全日本ヤング総合馬術大会で優勝を手繰り寄せている。クロスカントリーでは減点ゼロという好結果を残せた。

2018年のアジア大会では個人の最終成績で7位に終わったが、30歳にして初の国際大会ながら個人では第2日まで2位とメダルも狙える位置につけていた。1988年7月31日生まれの平永は、デラーゴ号との東京五輪出場を狙う。

デラーゴ号と出合う前から、平永は着実に結果を残している。2012年には全日本総合馬術大会のCNCワンスター競技で3位、2014年には CCI1* Miki 2014のトレーニング競技で3位、2015年には全日本総合馬術大会のCCIワンスター競技で優勝を果たしている。日本総合馬術界における成長株の一人と言っていい。


総合馬術は3日間で3種目を行うタフな競技だ
総合馬術は3日間で3種目を行うタフな競技だ総合馬術は3日間で3種目を行うタフな競技だ

デラーゴ号はクロスカントリーで強さを発揮

平永は大阪府出身。高校は馬術部で活動するため、熊本県の南稜高校に越境入学した。

高校入学後は全国30カ所以上にスクールを展開する乗馬クラブクレインに入社した。初心者を中心としたグループレッスンなどを担当する指導者を務めてきた。2012年にはクレイン京都からクレイン栃木に異動した事実が示すとおり、社会人としての生活が軸にある。

実は2014年、韓国で行われたアジア競技大会も経験している。ただし、裏方としてだ。日本代表チームに同行したものの、役割は馬のケアをするスタッフだった。選手として表舞台に立つことはなかった。

それでも、乗馬クラブで指導を行うかたわら、自身の成長にも地道に取り組んで来た。2017年11月の全日本総合馬術選手権で3位に食い込むと、2018年の4月と5月の総合馬術代表人馬選考対象競技で結果を残し、アジア大会の出場権を手繰り寄せた。

決して華やかな道を歩いてきたわけではない。多くの選手がドイツやイギリスを拠点にするなか、乗馬クラブの業務をメーンに生活を送っている。だが、初心者を中心とするグループレッスンや上級者のマンツーマン指導を通し、「教える」という行為のなかから得た馬術上達の気づきが多い点は強みとなっているはずだ。

サラブレッドの血を引くデラーゴ号は、目を見張るほどの勇気を特長とする。池や堀、生け垣といった障害物を跳び越えるクロスカントリーの種目で特に強さを発揮する。会社員ライダーの平永は、果敢さが武器のパートナーとともに、果敢に2020年の東京五輪出場を狙う。

楽しめましたか?お友達にシェアしよう!