息の合ったチームワークと統一性が美しいボート競技。日本男子は軽量級ダブルスカルに期待!

日本は2人乗りのダブルスカルが得意種目
最大8人(+舵手)が息を合わせて水面を駆け抜ける
最大8人(+舵手)が息を合わせて水面を駆け抜ける最大8人(+舵手)が息を合わせて水面を駆け抜ける

紀元前にすでに競技化されていたというボート競技(ローイング)。主に2人以上のチームで水上を漕ぎ抜くために、個人の能力以上に全員で息を合わせることが求められるチームスポーツだ。

近代競技化の発祥地イギリスは今も強豪国
近代競技化の発祥地イギリスは今も強豪国近代競技化の発祥地イギリスは今も強豪国

近代ボート競技はイギリスのカレッジスポーツが火付け役に

近代ボート競技の成り立ちは18世紀頃とされる。イギリスの名門私立校同士によるクラブレースが盛んになり、プロの船頭たちによるボートクラブも追随。ドイツやアメリカにもその人気が飛び火した。

日本のボート競技は、明治維新直前頃、外国人居留地だった横浜山下町で発足された外国人レースクラブとイギリス軍艦クルーのレースが起源とされる。そして明治初期、日本人大学生によるボート熱が高まり、カレッジスポーツとして今日も定着している。

オリンピックでは、1900年の第2回パリ大会から採用され、女子は1976年のモントリオール大会から採用された。

カギはチームワークと統一性

川辺や海や湖の直線コース(五輪では2000メートル)で、オールを使ってボートを漕ぎ、順位を争う。ボートに足を固定し、スライドシートで前後運動を繰り返して、脚力も使いながら腕でオールを漕ぐ。見た目以上に全身の筋力を要する。

漕ぐ(ストローク)と一口に言ってもその漕ぎ方には複数の行程とリズムがあり、これを最大8人で息を合わせて行う統一性が求められる。その統一性から生まれる美しいフォームとモーションが見どころのスポーツだ。

種目は大きく分けてスカルとスウィープに分類される。スカルはオールを右手と左手に1本ずつ、合わせて2本持って漕ぐ競技。一方スウィープはオールを1人1本ずつ持って漕ぐ。

東京五輪では、スカル系がシングル(1人:男子/女子)、ダブル(2人:男子/女子)、クオドルプル(4人:男子/女子)、軽量級ダブル(2人男子/女子)。スウィープ系が、舵手なしペア(2人:男子/女子)、舵手なしフォア(4人:男子/女子)、エイト(8人+舵手1人:男子/女子)となり、男女それぞれ7(計14)種目が行われる。

軽量級ダブルスカルは、男子が72.5kg以下かつ平均体重が70.0kg以下、女子が59.0kg以下かつ平均体重57.0kg以下が規定となる。

世界選手権で五輪出場者の大方が決定

東京五輪の出場者は、現地時間2019年8月29日~9月1日開催の『世界ボート選手権(オーストラリア・オッテンスハイム)』で、男女ともに大方の出場者が決まる。

その後、2019年から2020年にかけてシングル、ダブルスカル種目の4大陸別の選考会が続き、各種目2枠を争う最終予選が2020年5月17~19日スイス・ルツェルンで実施される。日本のホスト国枠は、男子ではシングルスカルの1枠が確保された。

尚、ボート競技とカヌー・スプリント同様、東京湾に新設される『海の森水上競技場』で行われる。

リオ五輪出場時の大元英照と中野紘志。東京五輪でも軽量級ダブルスカルでの代表入りなるか?
リオ五輪出場時の大元英照と中野紘志。東京五輪でも軽量級ダブルスカルでの代表入りなるか?リオ五輪出場時の大元英照と中野紘志。東京五輪でも軽量級ダブルスカルでの代表入りなるか?

群雄割拠の時代に突入。団体は列強イギリス、ドイツが死守

男子ボート競技の強豪といえばイギリスだが、五輪メダルの獲得総数ではアメリカが飛び抜けて多い。また、ドイツは、東西分断時の東ドイツが圧倒的に強く、1国として合わせればアメリカを凌駕する。

しかし、昨今では3国以外の欧州勢が上位を奪うなど、群雄割拠の時代を迎えている。欧州以外ではニュージーランドが突出しており、シングルスカルでマー・ドライスデールがロンドン、リオデジャネイロで2連覇。舵なしペアではエリック・マレー&ハミシュ・ボンドが同じく2連覇を達成した。

ボート競技の本丸ともいえるエイト・リオ五輪の金メダルはイギリス、銀メダルはドイツとなっており、列強国は団体戦で意地を見せている。

男子日本勢は、軽量級ダブルスカルに賭ける

男子日本代表の五輪での戦績は、2000年シドニー、2004年アテネでの武田大作の軽量級ダブルスカル6位が最高位。4人以上の種目では五輪出場がかなわず、まだ世界で戦えるレベルに到達できていないのが現状だ。

そんな中、日本男子勢がもっともメダルに近づけそうな種目が、やはり軽量級ダブルスカルとなる。2018年のアジア大会同種目で武田匡弘(関西電力)と宮浦真之(中央大学)が金メダルを獲得し、東京五輪に向け弾みをつけた。リオ五輪で決勝進出を果たした大元英照、中野紘志も引き続き代表入りを狙っている。

さらにリオ五輪を逃したボート界のレジェンド・武田大作も、46歳にして6度目の五輪出場を目指している。熾烈な代表争いを経ることで日本代表のメダル獲りも期待できるかもしれない。

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