【東京オリンピック出場枠争い】スポーツクライミング:日本の出場枠は男女各々最大2。強豪多数の国内代表争いは熾烈に

東京五輪に参加できるのは男女ともに各20名ずつ

東京五輪で初めて正式種目に採用されるスポーツクライミングは、「スピード」「ボルダリング」「リード」の3種目の複合で競われる。日本勢の出場枠は、開催国枠を含めて男女最大で各2名。2018年の世界選手権では男子3名、女子2名が6位以内に入っており、代表権争いから熾烈を極めることが予想される。

JMSCA五輪強化指定選手の伊藤ふたば。2017年にはボルダリングジャパンカップを史上最年少の14歳で制している
JMSCA五輪強化指定選手の伊藤ふたば。2017年にはボルダリングジャパンカップを史上最年少の14歳で制しているJMSCA五輪強化指定選手の伊藤ふたば。2017年にはボルダリングジャパンカップを史上最年少の14歳で制している

日本には開催国枠が男女1枠ずつ設けられている

スポーツクライミングは、東京五輪でオリンピック史上初めて正式種目として採用され、「スピード」「ボルダリング」「リード」の3種目の複合で争われる。参加人数は男女各20名で、出場枠は各国・地域で男女それぞれ最大2名までという上限がある。日本には開催国枠が男女1枠ずつ与えられており、その開催国枠を含めて最大男女2名ずつが出場可能だ。

東京五輪は指定大会を勝ち抜いた選手個人に出場権が与えられる。2019年8月に東京・八王子で開催されるIFSCクライミング・世界選手権2019がその一つになっており、複合7位以内が出場権獲得の条件。そのほか、IFSC クライミング・ワールドカップの上位者らが出場できるオリンピック予選大会(フランス・トゥールーズ)の上位6名、各大陸選手権の優勝者1名に出場資格が与えられる。

日本代表争いは2020年5月までもつれ込む可能性も

男女それぞれ1名ずつの開催国枠が確保されている日本だが、世界選手権やオリンピック予選大会などの指定大会で出場権獲得対象の日本選手が男女2名ずつ決定した場合には、当該選手にオリンピック出場権が与えられ、国内で選手選考を行うことはない方針だ。

ただし、指定大会で日本代表選手が決まらなかった場合には、2020年5月に行われるスポーツクライミング第3回コンバインドジャパンカップでの最上位者が代表を選出する。また、2020年4月開幕予定のアジア選手権までの選考大会で、優先選考選手に選ばれた選手を除いて、条件をクリアした選手が複数名いた場合は、そのなかでコンバインドジャパンカップの最上位選手が日本代表となる。

東京五輪日本代表の選考基準大会

  • (1)IFSC クライミング・世界選手権 2019(2019年8月11日~21日/東京・八王子)条件:上位7位以内
  • (2)オリンピック予選大会(2019年11月28日~12月1日/フランス・トゥールーズ)条件:上位6位以内
  • (3)IFSC-ACCクライミングアジア 選手権(2020年4月27日~5月3日/岩手・盛岡)条件:優勝者
  • (4)スポーツクライミング第3回コンバインドジャパンカップ(2020年5月16日~17日/開催地未定)条件:東京五輪出場権を獲得していない選手のなかで最上位者

東京オリンピック代表内定選手(9月17日時点)

【男子】

  • 複合:楢崎智亜

【女子】

  • 複合:野口啓代

2019年8月11日から21日に東京都・エスフォルタアリーナ八王子で行われたIFSCクライミング世界選手権において、上位7名に入ったうち最上位選手(各国最大1名)が東京五輪の同種目代表に内定することになっていた。

そんななかで優勝したのが楢崎智亜。代表権がかかる大きなプレッシャーをはねのけて東京五輪への切符を手に入れた。

野口啓代も2位に入って日本人の中で最上位選手になり、東京五輪代表を内定させた。

日本には開催国枠で男女1人ずつ出場枠が与えられている。11月に開催されるオリンピック予選大会、来年の4月に行われるアジア選手権と5月に実施される第3回コンバインドジャパンカップで激しい出場権争いが予想される。

オーストリアのヤコブ・シューベルトは世界屈指のクライマー。五輪史上初のスポーツクライミングで金メダルに最も近い選手と言える
オーストリアのヤコブ・シューベルトは世界屈指のクライマー。五輪史上初のスポーツクライミングで金メダルに最も近い選手と言えるオーストリアのヤコブ・シューベルトは世界屈指のクライマー。五輪史上初のスポーツクライミングで金メダルに最も近い選手と言える

日本男子では原田海、楢﨑明智、藤井快らに注目

IFSCクライミング・世界選手権2019は2019年8月開催。最速でオリンピック代表が決まる大会とあって大きな注目が集まる。

日本勢は2018年の同大会で男子3人、女子2人が複合の上位6人に入っており、早ければ今夏にも男女全4人の五輪代表が決まる可能性が十分にある。2018年の世界選手権の男子複合では原田海が4位、楢﨑明智が5位、藤井快が6位、女子複合では野口啓代が4位、野中生萌が5位の好成績を残した。スポーツクライミングの複合は、2018年の世界選手権やアジア大会から本格的に実施されたため、競技歴史が浅く、日本勢としてもまだまだ伸びしろを含んでいると言えるだろう。

以下のランキングやこれまでの実績などを踏まえると、男子の表彰台入りはかなり有力。国内の代表権をめぐる争いも白熱しており、開催国枠を含め2枠しかないのが惜しいと感じるほどだ。女子も前述の野口や野中と行った第一人者が国際大会で安定した成績を残しており、メダル獲得を十分に狙える実力を持っていると言える。

IFSCクライミング・世界選手権2018 複合順位

男子複合

  • 1位:ヤコブ・シューベルト(オーストリア)
  • 2位:アダム・オンドラ(チェコ)
  • 3位:ヤン・ホイヤー(ドイツ)
  • 4位:原田海(日本)
  • 5位:楢﨑智亜(日本)
  • 6位:藤井快(日本)

女子複合

  • 1位:ヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)
  • 2位:サ ソル(韓国)
  • 3位:ジェシカ・ピルツ(オーストリア)
  • 4位:野口啓代(日本)
  • 5位:野中生萌(日本)
  • 6位:ペトラ・クリングラー(スイス)

2018年のワールドカップランキング上位5選手

男子

  • 1位:ヤコブ・シューベルト(オーストリア)
  • 2位:楢崎智亜(日本)
  • 3位:藤井快(日本)
  • 4位:緒方良行(日本)
  • 5位:ショーン・マッコール(カナダ)

女子

  • 1位:ヤーニャ・ガンブレット(スロベニア)
  • 2位:野口啓代(日本)
  • 3位:野中生萌(日本)
  • 4位:ジェシカ・ピルツ(オーストリア)
  • 5位:スターシャ・ゲヨ(セルビア)
野中生萌(左)と野口啓代(右)は日本女子のクライミング界をけん引してきた存在。世界レベルでもしっかり結果を残してきた
野中生萌(左)と野口啓代(右)は日本女子のクライミング界をけん引してきた存在。世界レベルでもしっかり結果を残してきた野中生萌(左)と野口啓代(右)は日本女子のクライミング界をけん引してきた存在。世界レベルでもしっかり結果を残してきた

なお、公益社団法人日本山岳・スポーツクライミング協会は東京五輪でのメダル獲得を目標に掲げ、JMSCAオリンピック強化指定選手を定めている。6カ月ごとに追加および入れ替えが行われ、東京五輪をはじめとした世界大会でのメダル獲得を目標に強化活動を行っている。以下は2018年11月22日に発表されたJMSCAオリンピック強化指定選手で、東京五輪の出場枠争いを盛り上げる実力者たちと言える。

JMSCAオリンピック強化指定選手

男子

  • 楢崎智亜、藤井快、原田海、緒方良行、是永敬一郎、土肥圭太

女子

  • 森秋彩、野口啓代、伊藤ふたば、野中生萌、谷井菜月、小武芽生

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