【東京オリンピック出場枠争い】ライフル射撃は2段階、クレー射撃はアジア選手権で五輪代表決定か

東京五輪の射撃競技は大きく分けてふたつだ。固定された標的を撃つ「ライフル射撃」と、空中に放出された動く標的を撃ち壊していく「クレー射撃」に分けられる。ライフル射撃の日本代表選考は、日本ライフル射撃協会(NRAJ)が、クレー射撃の日本代表選考は、日本クレー射撃協会(JCSA)がそれぞれ実施する。国内の代表争いは今年9月に本格化となる。

リオ五輪代表経験者の松田知幸は、2018年アジア大会の10メートルエアピストルで銀メダルを獲得しており、東京五輪でも期待される存在だ
リオ五輪代表経験者の松田知幸は、2018年アジア大会の10メートルエアピストルで銀メダルを獲得しており、東京五輪でも期待される存在だリオ五輪代表経験者の松田知幸は、2018年アジア大会の10メートルエアピストルで銀メダルを獲得しており、東京五輪でも期待される存在だ

2019年11月のアジア選手権、あるいは2020年3月の最終選考会で決定

ライフル射撃は、2019年9月から日本代表選考会が始まる。全日本選抜大会の上位者やナショナルチームの選手などに参加資格を与え、2段階で選抜する。

クレー射撃は、2018年9月に開催された世界選手権大会、2019年のワールドカップ(W杯)、アジア大陸射撃選手権大会で、国・地域別の出場権(Quota Place: QP)を獲得した選手に、そのまま東京五輪への出場権を与えるとしている。なお、現時点では該当者がいない。

個人種目の国別出場枠は最大2枠。日本には開催国枠がひとつ与えられるものの、当該種目の出場資格スコア(Minimum Qualification Scores: MQS)を満たしていることが条件となる。

ライフル射撃(ピストル種目も含む)のうち、50メートルライフル3姿勢(男子/女子)は、2019年9月の第1次選考会(三重県ライフル射撃場)でアジア選手権に出場する3選手を選出する。最終選考会を兼ねたアジア選手権は、2019年11月にカタールのドーハで開催され、この中で最終順位が最も高い日本人選手の東京五輪出場が内定する。

10メートルエアライフル(男子/女子)、10メートルエアピストル(男子/女子)、25メートルラピッドファイアピストル(男子)、25メートルピストル(女子)は、2019年11月に第1次選考会を東京都北区で行う。上位選手は2020年3月、東京五輪の会場となる埼玉県朝霞射撃場で行われる最終選考会に参加。この結果で東京五輪代表が決定される。

なおミックスチーム(混合)は、基本的に最終選考会の上位者より選ばれる。ただし、専任コーチの意見を踏まえて、選手強化委員長の判断で決定および変更が可能としている。

クレー射撃は、2018年世界選手権、2019年W杯とアジア選手権でQPを獲得した選手がそのまま代表になる。なお、アジア選手権終了時点でQPを獲得した選手が不在の場合、アジア選手権の成績で日本代表が決定する。

  • 2018年9月 世界選手権(韓国・昌原)
  • 2019年3月 W杯(メキシコ・アカプルコ)
  • 2019年4月 W杯(UAE・アルアイン)
  • 2019年5月 W杯(韓国・昌原)
  • 2019年8月 W杯(フィンランド・ラハティ)
  • 2019年11月 アジア選手権(カタール・ドーハ)
山下敏和は北京、リオ五輪に出場したベテラン。山下を含め、射撃競技の性質上、警察や自衛隊所属者が多い
山下敏和は北京、リオ五輪に出場したベテラン。山下を含め、射撃競技の性質上、警察や自衛隊所属者が多い山下敏和は北京、リオ五輪に出場したベテラン。山下を含め、射撃競技の性質上、警察や自衛隊所属者が多い

強豪国で激しい代表争い。日本勢はどこまで食い込める? - 東京五輪の有力選手たち

日本は、各種目で開催国枠1を得ているため、種目毎のMQSをクリアする選手がいれば、全種目に出場できる見込みだ。しかし、現時点の日本勢の実力的にメダル争いができる種目は限られている。

ライフル射撃は、リオデジャネイロ五輪で松田知幸(10メートルエアピストル/50メートルエアピストル)、秋山輝吉、森栄太(25メートルラピッドファイアピストル)、山下敏和(10メートルエアライフル/50メートルエアライフル/50メートルライフル3姿勢)、岡田直也(10メートルエアライフル)、佐藤明子(10メートルエアピストル/25メートルピストル)の男女6選手が出場。しかし、いずれも予選で敗退した。

同大会では、ニッコロ・カンプリアーニ(イタリア)が10メートルエアライフルと50メートルライフル3姿勢で2冠を達成し、大きな話題を集めたが、中国や韓国も躍進し、表彰台に上った。この東アジア勢の躍進に刺激を受けてか、2018年のアジア大会では、10メートルエアピストルで松田知幸が銀メダル、50メートルライフル3姿勢で、松本崇志が銅メダルを獲得するなど健闘を見せている。

屋外かつ動く標的を撃ち落とすクレー射撃。日本勢はこの種目で苦戦している
屋外かつ動く標的を撃ち落とすクレー射撃。日本勢はこの種目で苦戦している屋外かつ動く標的を撃ち落とすクレー射撃。日本勢はこの種目で苦戦している

クレー射撃は、リオ五輪に中山由起枝(トラップ)と石原奈央子(スキート)が出場するも、ともに予選敗退。2018年のアジア大会では、男女5選手が出場したものの、いずれも予選敗退に終わっている。自力でのQP獲得は困難な見通しで、2019年9月のアジア選手権の成績が、代表選考に直結することになりそうだ。

世界各国の射撃競技団体を統括している国際スポーツ射撃連盟(ISSF)は、世界ランキングを発表している。日本では、ライフル射撃をNRAJが、クレー射撃をJCSAが統括している。両協会ともに、このISSFに加盟している。

男子はロシア、中国、クロアチア、女子はインド、中国、韓国、アメリカの選手たちが、上位にランクされている。こうした強豪国では、同じ種目のトップ10に2〜3人が名を連ねている。しかし、東京五輪では、国別出場枠は最大2と定められており、また、同じ選手が複数の種目で上位にランクされている場合もあるので、強豪国でも代表選考は非常に激しいものとなり、最終的に出場種目の調整などが行われることになるだろう。

東京オリンピック代表内定選手(11月11日時点)

ライフル射撃

男子

  • 松本崇志(ライフル3姿勢)

女子

  • 平田しおり(ライフル3姿勢)

クレー射撃

男子

  • 大山重隆(トラップ)
  • 井川寛之(スキート)

女子

  • 中山由起枝(トラップ)
  • 石原奈央子(スキート)

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