【東京オリンピック出場枠争い】卓球:日本は過酷な選考レースを展開

最大のライバル、中国は世界ランク上位を独占

近年の国際大会で安定して好成績を収めている卓球日本代表。張本智和、平野美宇、伊藤美誠と2000年以降に生まれた新星たちも着々と力をつけ、東京五輪では男女ともにメダル獲得が現実味を帯びてきた。厳しいサバイバルレースの末、東京五輪の出場権をつかむのは誰なのか。選考の基本情報を整理しておこう。

張本智和は2019年6月27日に16歳に。その若さながら、男子の世界ランキングでは日本人トップとなる4位につける
張本智和は2019年6月27日に16歳に。その若さながら、男子の世界ランキングでは日本人トップとなる4位につける張本智和は2019年6月27日に16歳に。その若さながら、男子の世界ランキングでは日本人トップとなる4位につける

シングルスは男女約70名ずつが出場

男女それぞれのシングルス、団体戦、そして東京五輪では初採用となる混合ダブルスが行われる卓球競技。シングルスは男女各64名、もしくは70名が出場権を獲得するが、出場できるのは1カ国につき最大2名までとなっている。シングルスの出場枠の内訳は以下のとおり。

シングルス出場枠の内訳

  • ①2019年6月1日から2020年4月30日に決定する大陸別代表(計22人/アフリカ:4人、アジア:6人、ヨーロッパ:6人、ラテンアメリカ:4人、北アメリカ:1人、オセアニア:1人)
  • ②2020年5月にカタールで行われるオリンピック予選の結果によって決定する代表(2~8人)
  • ③国際卓球連盟(ITTF)ワールドランキングによって決定する代表(1〜13人)
  • ④団体戦に出場する各国の代表(1カ国につき2人×16カ国=計32人 ※開催国枠の日本含む)
  • ⑤第三者委員会によって決定する代表(1人)

一方、団体戦の出場枠は16カ国。内訳は各大陸の代表である計6カ国、2020年1月にポルトガルで行われる団体予選によって決定する9カ国、そして開催国枠1カ国となっている。

混合ダブルスでも同じく16カ国に出場権が与えられる。各大陸代表6カ国、2019ワールドツアーグランドファイナルの結果による出場国4カ国、2020ワールドツアーの結果による出場国5カ国、そしてこちらも同じく開催国枠1カ国が確保されている。

石川佳純はロンドン五輪とリオ五輪でプレー。世界卓球選手権でのメダル獲得も豊富で、高い経験値が魅力だ
石川佳純はロンドン五輪とリオ五輪でプレー。世界卓球選手権でのメダル獲得も豊富で、高い経験値が魅力だ石川佳純はロンドン五輪とリオ五輪でプレー。世界卓球選手権でのメダル獲得も豊富で、高い経験値が魅力だ

日本代表は2020年1月発表の世界ランクで決定

ロンドン五輪では銀、リオ五輪では銅を首にかけて帰国した日本女子団体。男子もブラジルの地では団体で世界2位に立ったほか、個人戦でも水谷隼が銅を獲得したことが記憶に新しい。

俊敏さ、最後まで諦めない精神力など、卓球は日本人アスリートの特長がうまくマッチしたスポーツとも言えるだろう。近年、多くの国際大会で、絶対王者である中国勢との死闘が繰り広げられ、その差はどんどんと縮まっているだけに、東京五輪では集大成となる堂々とした戦いが期待される。

開催国枠を得ている日本は実に選手層が厚く、選考は熾烈を極める。日本卓球協会は2018年9月に選手選考基準を以下のように発表した。

シングルス選考基準

2020年1月発表のITTFワールドランキング日本人上位2名を推薦

※上位1位のITTFワールドランキングポイントが3名以上、もしくは2位が2名以上重複した場合は、下記の流れで順位を決定する。

  • ①ワールドツアー(世界選手権、ワールドカップ、ワールドツアーグランドファイナル、ワールドツアープラチナ6大会)等の優勝回数
  • ②世界ランキング30位以内(日本人選手/同一選手含む)に勝利した回数
  • ③該当する選手間で最終決定戦を実施

団体戦代表候補には、上記で選出されたシングルスの代表選手とダブルスが組む力を持ち、活躍が見込める選手が選ばれる。そして、混合ダブルス代表候補となる男女各1名には、シングルス代表+団体戦代表候補の計3名のうち、最高のペアリングと思われる混合ダブルスペア1組が日本オリンピック委員会に推薦される。

中国は卓球王国。世界ランク上位につける丁寧(ディン・ニン/左)や劉詩雯(リウ・シーウェン/右)など実力者がひしめく
中国は卓球王国。世界ランク上位につける丁寧(ディン・ニン/左)や劉詩雯(リウ・シーウェン/右)など実力者がひしめく中国は卓球王国。世界ランク上位につける丁寧(ディン・ニン/左)や劉詩雯(リウ・シーウェン/右)など実力者がひしめく

圧倒的な強さを誇る中国は新世代も台頭

日本代表選考においては、前述のとおりITTFワールドランキングがカギを握っている。

2019年6月14日時点の男子ランキングでは、張本智和が日本人トップとなる4位に立ち、13位の丹羽孝希、14位の水谷が後を追う。女子では6位の石川佳純が日本人最上位、伊藤美誠(みま)が続いて7位、平野美宇(みう)が9位と「みうみま」コンビもそろって上位をキープしている。上記の選考の流れを当てはめて考えると、このメンバーが東京五輪の出場権を得ることになりそうだ。

なかでも伊藤美誠は、2019年6月に中国で行われた中国オープン女子シングルス準々決勝で世界ランク1位の丁寧(ディン・ニン)を破る大金星を上げるなど、好調をキープ。圧倒的な存在感を発揮する張本も同大会準決勝で敗れながらも、対戦相手の元世界ランク1位の馬龍(マー・ロン)に「今後10年は中国にとってのライバルになる」と称賛を受けた。

日本の最大のライバルとなるのはやはり、その中国だろう。過去8大会のオリンピックで金28個、銀17個、銅8個を獲得、さらに女子シングルスでは一度も表彰台の中央を譲ったことがない。男子ではリオ五輪で頂点に立った馬龍はもちろん、現在世界ランクトップに立つ1997年生まれの樊振東(ファン・ジェンドン)、女子では世界卓球、オリンピック、ワールドカップの全制覇を成し遂げた先述の丁寧に加え、陳夢(チェン・ムン)、劉詩雯(リウ・シーウェン)、朱雨玲(ジュ・ユリン)、王曼昱(ワン・マンユ)らが世界ランク上位を独占しており、やはり東京五輪におけるメダルレースにおいても最大の壁となるに違いない。男女ともに金メダルをめざす日本は、中国と熱きバトルを繰り広げることになりそうだ。

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