柔道グランドスラム・デュッセルドルフで大野将平、阿部詩らが優勝! 12階級の東京五輪代表が内定

丸山城志郎か阿部一二三か、代表未定は男子66キロ級のみ

柔道の東京五輪代表選考は第2段階を終え、リオデジャネイロ五輪でメダルを獲得している大野将平や髙藤直寿(たかとう・なおひさ)など、新たに12階級の代表選手が決まった。丸山城志郎と阿部一二三が激しい争いを繰り広げている男子66キロ級のみが、4月の最終選考まで持ち越しとなった。

阿部詩は決勝でフランス人選手を下し、兄の一二三より一足先に東京五輪行きを決めた
阿部詩は決勝でフランス人選手を下し、兄の一二三より一足先に東京五輪行きを決めた阿部詩は決勝でフランス人選手を下し、兄の一二三より一足先に東京五輪行きを決めた

12階級で新たに東京五輪代表選手が内定

東京五輪代表選考会の一つに定められている柔道グランドスラム(以下GS)がドイツのデュッセルドルフで行われた。柔道の五輪代表選考は第2段階に突入しており、強化委員会は2019年12月のワールドマスターズ、今年2月のGSパリ、そして今大会の3大会を終えた時点で、2番手以降との差が歴然となった選手を代表に選出すると発表していた。

2019年11月開催のGS大阪を終えた第1段階の時点で、オリンピック代表に内定したのは女子78キロ超級の素根輝(そね・あきら)のみ。GSパリには代表争いで2番手以下と目される選手が派遣され、優勝を逃すなど差を詰められない選手が多かった。

男子60キロ級の髙藤直寿は準決勝まで一本勝ちで、決勝は不戦勝。リオデジャネイロ五輪に続くメダル獲得に期待がかかる
男子60キロ級の髙藤直寿は準決勝まで一本勝ちで、決勝は不戦勝。リオデジャネイロ五輪に続くメダル獲得に期待がかかる男子60キロ級の髙藤直寿は準決勝まで一本勝ちで、決勝は不戦勝。リオデジャネイロ五輪に続くメダル獲得に期待がかかる

そんななか、デュッセルドルフでの今大会には、多くの階級で代表争いをリードしている1番手の選手が代表の座を確実なものとするべく出場した。男子60キロ級の髙藤直寿(たかとう・なおひさ)、同73キロ級の大野将平、女子52キロ級の阿部詩、同63キロ級の田代未来(みく)、同70キロ級の新井千鶴、同78キロ級の濵田尚里(はまだ・しょうり)は優勝を果たして文句なしの東京五輪代表に内定を決めた。

一方で、女子48キロ級の渡名喜風南(となき・ふうな)は2位、男子81キロ級の永瀬貴規(たかのり)は2回戦敗退、同90キロ級の向翔一郎は敗者復活戦を勝ち上がっての3位と優勝を逃している。それでも、この3人は直近1年間での成績が考慮され、東京五輪代表に選出された。

女子48キロ級の渡名喜風南(左)は1995年生まれ。GSデュッセルドルフでは2位に終わったが、これまでの戦績を認められ東京五輪出場が内定した
女子48キロ級の渡名喜風南(左)は1995年生まれ。GSデュッセルドルフでは2位に終わったが、これまでの戦績を認められ東京五輪出場が内定した女子48キロ級の渡名喜風南(左)は1995年生まれ。GSデュッセルドルフでは2位に終わったが、これまでの戦績を認められ東京五輪出場が内定した

大野と髙藤は2大会連続メダル獲得に期待

リオデジャネイロ五輪金メダリストの大野は、“絶対王者”の風格を漂わせた。

準決勝までの5試合はすべて一本勝ち。大野は決勝で最大のライバルと目される韓国の安昌林(アン・チャンリム)を下し、これにより2019年の世界選手権を含め、国際大会で2年間無敗となった。ただし、本人は決勝戦が優勢勝ちだったことに満足しておらず、「ろくでもない試合だった」と厳しい振り返りを口にした。オリンピック連覇へ、隙はない。

リオデジャネイロ五輪銅メダリストの髙藤は、準決勝まで一本勝ちで、決勝は不戦勝だった。2大会連続出場となるオリンピックでのリベンジに向け、「将平先輩を見習って、どうしたら金メダルを取れるか学んでいきたい」と金メダリストの教えを貪欲に請う構えだ。

兄の一二三とともに兄妹での東京五輪出場をめざす阿部詩は、GS大阪で敗れているアマンディーヌ・ブシャール(フランス)と決勝で対戦した。開始4分すぎ、袖込腰で宿敵を宙に舞わせた。ポイントこそ奪えなかったが、これをきっかけに指導3回の反則負けに追い込み、見事に優勝を飾った。

2019年の世界柔道選手権で銀メダルを手にした濵田尚里は、オール一本勝ちでの優勝で東京五輪切符を手繰り寄せた。“寝技師”と呼ばれる濵田は世界トップクラスの寝技技術を持つ。今大会でも持ち味を存分に発揮して勝ち上がると、決勝では2017年世界女王のマイラ・アギアル(ブラジル)を開始15秒で寝技に引き込んだ。2度、抑え込みから逃げられたものの、しつこく追いかけて3度目はがっちりと固めた。東京五輪本番時は29歳10カ月。2012年ロンドン五輪に29歳1カ月で出場した上野順恵を抜いて、日本女子史上最年長での初出場となるが、日本女子の増地克之監督は「今が一番のピークでは」と “アラサーの新星”に期待を寄せている。

リオデジャネイロ五輪金メダリストの大野大野将平は“絶対王者”の風格を見せ、オリンピック行きのチケットを手にした
リオデジャネイロ五輪金メダリストの大野大野将平は“絶対王者”の風格を見せ、オリンピック行きのチケットを手にしたリオデジャネイロ五輪金メダリストの大野大野将平は“絶対王者”の風格を見せ、オリンピック行きのチケットを手にした

実力拮抗の男子66キロ級代表は4月の最終選考へ

最も熾烈な代表争いが繰り広げられている男子66キロ級は、4月4日から5日にかけて行われる全日本選抜柔道体重別選手権で決着がつけられる。

現状、一番手につけているのは2019年の世界選手権を制した丸山城志郎だが、GS大阪の決勝では2017、2018年世界王者の阿部一二三が丸山を撃破し、代表内定を阻止。両者は今回のGSデュッセルドルフで再び激突する可能性もあったが、丸山が膝のケガの影響で出場を見送り、阿部が優勝を果たしたことでさらなる追い上げを見せた。大会後に阿部の左手の負傷も明らかになったが、強化委員会は2人の実力が拮抗していると見ており、最終選考となる全日本選抜体重別選手権を制したほうが東京五輪代表に決まる見込みだ。

また、男子100キロ級のウルフ・アロン、同100キロ超級の原沢久喜(ひさよし)、女子57キロ級の芳田司(よしだ・つかさ)はケガのため今大会を欠場した。しかし、強化委員は「1年間の成績などを総合的に見て判断する」とし、2019年夏の世界選手権でメダルを獲得している3者を東京五輪代表にすることを決めている。

  • 世界の柔道:オーストラリア

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