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落合知也:3人制と5人制の架け橋に! #91WORMは東京五輪の舞台に立てるか

2017-18シーズンBリーグ開催中の2018年2月、リンク栃木ブレックスと落合知也は双方合意の上で、選手契約の解除を行ったと発表した。落合はその理由について、3人制バスケットボールの活動に専念するためとコメントしている。落合が目指しているのは、もちろん3x3日本代表として2020年東京五輪に出場することだ。

3人制バスケットボールの活動に専念するため栃木ブレックスを退団した落合

将来を嘱望されながら大学卒業とともにバスケットボールから離れる

落合知也は1987年6月18日、東京都で生まれた。現在の身長は195センチで体重は93キロ。日本人としては恵まれた体格だろう。姉はモデルで、タレントとしても活躍している砂央里だ。知也がバスケットボールを始めたのは9歳のとき。ミニバスケットボールの大会などで結果を残し、高校は茨城県の土浦日本大学高等学校に進学する。土浦日大では、全国高等学校総合体育大会(インターハイ)や全国高等学校選抜優勝大会(ウィンターカップ)に出場し、高校卒業後、法政大学に進む。

法政大学2年生のときに、全日本大学選手権大会(インカレ)で準優勝。3年生のときにはユニバーシアード大会に派遣されるナショナルチーム、U-24日本代表候補にセンターフォワード(CF)として選ばれるなど、学生時代の競技人生は順調だった。落合は実業団からのオファーを受けていたが、結局、バスケットボールから距離を置いた。

落合は2010年3月に大学を卒業した。当時、日本のバスケットボール界は混乱のさなかにあった。2006年に日本で開催されたFIBA世界選手権(現ワールドカップ)は、日本のバスケットボール界にとって、競技人気を高める絶好の機会となるはずだったが、日本代表は1勝4敗でグループゲームラウンド敗退。大会は約13億円の赤字になり、日本バスケットボール協会(JBA)の責任問題に発展した。国内トップリーグも、2005年から「bjリーグ」と「JBL」に分裂。落合が実業団からのオファーに魅力を感じなかったとしても、無理ならざる状況だった。大学を卒業した落合は、その長身を生かして、姉と同じモデルを目指した。ところが、モデルとしては背が高すぎたために、思うように仕事が得られず、アルバイトで生活する日々が続いた。

2015年にはRed Bull King of the Rock World Finals 2015に出場

#91WORMとしてストリートボールで復帰。Bリーグ王者にも所属

一度はバスケットボールから離れた落合だったが、屋外でプレーする3人制バスケットボール「ストリートボール」に出会い、競技への情熱を取り戻す。ストリートボールのチーム「UNDERDOG」に所属。ニックネーム「#91 WORM」として3on3のリーグ戦「SOMECITY」、5on5のトーナメント戦「ALLDAY」に出場する。落合は大学時代から背番号「91」を身に着けていた。これは落合が敬愛するNBAのスター選手、デニス・ロッドマンの影響だ。シカゴ・ブルズ時代、ロッドマンの背番号は91だった。また、ニックネームの「WORM」も、ロッドマンの愛称として知られる。リバウンドに定評があることも両者の共通点だ。

現在、サイバーダイン茨城ロボッツ、BREX.EXE(ブレックスドットエグゼ)でプレーする眞庭城聖も所属したUNDERDOGは、ストリートボール界で多くのトロフィーを獲得している。UNDERDOG所属の落合は2012年、ロシア・ウラジオストクで開催されたFIBA 3x3ワールドツアー・マスターズに、「ライジング・サンズ」のメンバーとして出場を果たすなど、日本を代表する選手と認識されるようになる。2013年には「チーム名古屋」として、マスターズ東京大会で準優勝。トルコ・イスタンブールで行われるファイナルへの出場権を獲得すると、ベスト8という結果を残す。また、FIBA 3x3オールスターズにも、2013年から3年連続で日本代表として出場している。

その一方で、3人制と5人制の架け橋になることも意識。2013年にはNBDL(2部)の大塚商会アルファーズに入団。2015-16シーズンにはNBDLベスト5に選出されるなどの活躍を見せる。そして、29歳となった2016年6月、リンク栃木ブレックスに加入した。このころ、日本バスケットボール界の混乱も、ようやく収束する方向に進み出した。Jリーグチェアマンなどを歴任した川淵三郎が中心となり、2016-17シーズンに日本唯一のトップリーグ「Bリーグ」が開幕。栃木ブレックスは、その初代王者に輝くこととなる。

好転してきたように思えた落合の競技人生だったが、2016年10月に思わぬアクシデントが襲う。日本代表として出場したFIBA 3x3世界選手権の試合中に、右膝の前十字靱帯を断裂。その後10カ月近く競技から離れることになったが、懸命なリハビリに取り組み、復帰を果たす。そして、迎えた2017-18シーズン、落合は栃木で24試合に出場したが、結局5人制チームからの退団を決意、3人制に専念することを決めた。今は栃木の3人制チームBREX.EXEのメンバーとして、3人制のトップリーグ「3x3 PREMIER・EXE」に出場している。

大学卒業後、一度バスケットボールから離れた


3x3に専念!すべては東京五輪の舞台に立つために

2018年4月、中国の深センで開催されたFIBA 3x3アジアカップの日本代表に選出されると、チームの3位躍進に貢献。同年6月にフィリピンのマニラで開催されたワールドカップの日本代表に選ばれるも、チームは1勝3敗で決勝トーナメント進出を逃した。

落合は今、プロ・アマ混成のB3リーグに所属する古巣・越谷アルファーズに復帰。2019年2月2日、3日に行われた豊田合成スコーピオンズ戦でもスターターで出場。シュートを決めるなど、存在感を発揮している。

3人制と5人制は異なる競技だが、求められる能力に共通点も多い。そのため、すべてのバスケットボール選手は、3x3日本代表になるポテンシャルを秘めている。落合和也が目指す先にあるのは、オリンピックの夢舞台。厳しい競争に打ち勝ち、3x3日本代表として東京五輪のコートに立つ。