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近代五種のルールを知って東京五輪を楽しもう!|大会形式や注目選手について解説

文: 渡辺文重 ·

「近代オリンピックの父」ピエール・ド・クーベルタン男爵が、ナポレオン戦争の故事を元に生み出したとされる近代五種。「スポーツの華」と称される一方、「キング・オブ・“マイナー”スポーツ」と言われるほど、認知度は低い。ここではそのルールや見どころ、注目選手などを紹介する。

■五輪で実施される(競技名)の楽しみ方

「競技の詳細を知る人も観戦経験がある人もごくわずかなので『キング・オブ・マイナースポーツ』という呼び方も誤りではない」とは、日本近代五種協会(MPAJ)専務理事・野上等氏の弁。しかし欧米では「キング・オブ・スポーツ」「スポーツの華」と呼ばれるなど、高い魅力を備えた競技であることは間違いない。

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競技がスタートした当初は、1日に1種目ずつ、計5日間にわたって行われていたが、1996年のアトランタ五輪からは1日で全ての競技を行うようになる。観客にはありがたい変更だったものの、競技者にとっては過酷さが増す変更となった。Tokyo 2020(東京五輪)では、2日間で争われる。

■ルール

近代五種で行われる種目はフェンシング(エペ)、水泳(200m自由形)、馬術(障害飛越)、そして射撃とランニングを組み合わせたレーザーラン(射撃5的+800m走を4回)となっている。フェンシング、水泳、馬術の得点をタイムに換算。ポイント上位者から時間差を設けてレーザーランをスタートする。射撃はレーザーピストルを使い、10m離れた場所から直径約6センチの標的にレーザーを5回命中させるまで行う。レーザーランで最初にゴールした選手が、金メダルとなる。

■大会形式

2021年の東京五輪では8月5日、武蔵野の森総合スポーツプラザにて男女のフェンシング総当たり戦(ランキングラウンド)を実施。女子は6日、男子は7日に、水泳、フェンシング(ボーナスラウンド)、馬術、レーザーランの順で競技を行う。

■楽しんで見るポイント

求められる資質が異なる5種目を行うため、どの選手にも得意、不得意がある。前半の3種目で大幅なリードを奪ったとしても、最後のレーザーランで大逆転が発生する可能性があるので、最後まで目が離せない。

■注目選手

日本は開催国として男女1枠ずつの出場権を確保しているものの、世界選手権などの結果次第では、男女とも最大2名まで出場権を得られる。MPAJは男女1名ずつの内定者を発表しているものの、今後、2名以上の日本人が東京五輪出場権を得た場合、UIPM(国際近代五種連合)が発表するオリンピック・ペンタスロン・ワールド・ランキング(OPWR)上位2選手が、日本代表となる。

髙宮なつ美(警視庁)

埼玉県出身、1991年8月22日生まれ。2019年11月に中国・武漢で行われた東京五輪予選を兼ねるアジア・オセアニア選手権で銀メダルを獲得。リオデジャネイロ五輪に続く、2回目となるオリンピック出場の内定を得た。中学までスイミングスクールで水泳を学び、高校時代は陸上中距離の選手として活躍。警察学校教官の勧めで近代五種を始めた。

岩元勝平(自衛隊)

鹿児島県出身、1989年8月23生まれ。2019年11月に中国・武漢で行われた東京五輪予選を兼ねるアジア・オセアニア選手権で7位となり、日本の出場権獲得とともに、リオデジャネイロ五輪に続き、オリンピック出場の内定を得た。高校まで水泳を行っていたが、当時の自衛隊近代五種監督からスカウトされ、自衛隊に入隊して競技をスタートした。