30年ぶりアメリカ撃破も、こぼれ落ちた金メダル【2000年シドニーオリンピック】

予選で30年越しに勝利するも、決勝戦でまさかのサヨナラ負けに
予選で30年越しに勝利するも、決勝戦でまさかのサヨナラ負けに予選で30年越しに勝利するも、決勝戦でまさかのサヨナラ負けに

宇津木妙子監督が率い、猛練習で地力をつけたソフトボール日本代表は、予選リーグで過去30年間勝てなかったアメリカを撃破。1位で決勝トーナメントに進出を決める。そして準決勝でオーストラリアに勝利し、メダルを確定させて挑んだ決勝のアメリカ戦。しかし、日本にとって思わぬ結末が待っていた。

サヨナラエラーで敗れた日本代表は、涙に暮れることになった
サヨナラエラーで敗れた日本代表は、涙に暮れることになったサヨナラエラーで敗れた日本代表は、涙に暮れることになった

30年越しのアメリカ越え、その勢いは本物に見えた

2度目のオリンピックに向けて、新たに日本代表監督として就任したのは、宇津木妙子。ソフトボールの日本リーグ3部の実業団チームを、4年で1部リーグ優勝に導いた、その手腕を買われた。

宇津木はアトランタ五輪ではコーチとして、初めての舞台を体験し、世界で勝つために、アメリカに勝つために日本に何が足りないかを切実に痛感したという。

『宇津木JAPAN』の初陣となる1998年の世界選手権では、銅メダルを獲得し、2年後のシドニー五輪出場を決めた。そこから宇津木が掲げた目標は「打倒アメリカ。金メダル獲得」。

日本は公式戦でアメリカに30年間、1度も勝てていなかったが、大言壮語と一笑に付されても、「勝てるわけがないという思い込みや、勝てない理由を見つけて、自分で限界をつくることが大嫌い。盛者必衰の理で勝つ」と、鬼監督と化し、選手たちに厳しい練習を課していった。

特に台湾で行われた合宿は、地獄の特訓と呼ばれ、今も伝説となっている。チームのモットーは「努力(練習)は裏切らない」だった。修羅場を乗り越えて、シドニーのグラウンドに立ったのは、アトランタ五輪経験のある斎藤春香、安藤美佐子ら5選手をはじめ、宇津木麗華を含む15選手。

日本の立てた金メダルへの作戦は2つ。剛速球投手が日本にいないことを逆手に「変化球とチェンジアップの配球で緩急をつけ、打ち気にはやる強打者のリズムを狂わす」。打撃は体格に劣る日本人でも「バントや小技だけに頼らず、目には目を、パワーにはパワーで打ち返す」。

日本は斎藤春香、宇津木麗華らのホームランで打ち勝ち、打率でアメリカを上回る。投げては高山樹里らのライズボール(ホップする変化球)が冴えわたり、予選を破竹の7連勝で終えることとなった。

アメリカにとっては恵みの雨となったが、日本にとっては悪夢の雨となった
アメリカにとっては恵みの雨となったが、日本にとっては悪夢の雨となったアメリカにとっては恵みの雨となったが、日本にとっては悪夢の雨となった

決勝戦後半の突然の雨、そしてこぼれ落ちた金メダル

ついに宿敵アメリカを延長で破り、予選1位で決勝トーナメントへ。宇津木JAPANの予想以上の快進撃に日本のメディアもようやく、金メダルを期待して過熱していった。

決勝進出を賭けたオーストラリア戦は、宇津木麗華のソロホームランを、大学生の増淵まり子が変化球主体で完封して、勝利。銀メダル以上を確定させる。

迎えた決勝はアメリカ相手に、宇津木麗華のソロホームランで先制。1点を返され同点でまたも延長へ。8回裏、アメリカ選手をレフトフライに打ち取ったと誰もが思った瞬間、突如振り出した雨に足を滑らせた日本の左翼手が落球。アメリカがサヨナラのホームを踏み、日本は金メダルにあと一歩届かなかった。

【2000年・シドニーオリンピック・日本代表結果】

◆予選リーグ

○ 4-1 キューバ

○ 3-1 中国

○ 2-1 アメリカ

○ 1-0 オーストラリア

○ 4-3 カナダ

○ 2-0 イタリア

○ 2-1 ニュージーランド

◆準決勝

○ 1-0 オーストラリア

◆決勝

● 1-2 アメリカ

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