スケートボード

スケートボード・パーク世界選手権に参戦:スノボ・ハーフパイプ界の絶対王者ショーン・ホワイトのこれまで

文: 大石ななみ ·

9月12日に開幕するスケートボード・パークの世界選手権。「Tokyo 2020(以下東京五輪)」の出場権獲得に大きく関わるこの大会に、スノーボード・ハーフパイプで3度冬季五輪を制した絶対王者、ショーン・ホワイト(米)が参戦する。ショーン・ホワイトの凄さとは? スケートボードの実力は? ここで改めておさらいしよう。

スケートボードでの東京五輪参戦を示唆したショーン・ホワイト

スノーボードで出場した国際大会の成績

ホワイトはオリンピックのスノーボード・ハーフパイプで同競技最多、3度の金メダルに輝いている。出場した全大会の結果は下記の通り。

オリンピックの成績

2006年(トリノ五輪) 金

決勝1本目のランで46.8点という高得点を叩き出し、五輪初出場にして初優勝。銀はダニー・キャス(米)、胴はマルク・コスキ(フィンランド)。

2010年(バンクーバー五輪) 金

またしても決勝1本目で優勝が確定したが、そのまま流すこともできたはずの2本目で超高難度の「ダブルマックツイスト1260」を決め、王者の貫禄を見せつけた。銀はピートゥ・ピロイネン(フィンランド)、銅はスコット・ラゴ(米)。

2014年(ソチ五輪) 4位

ミスを連発し3大会連続のメダル獲得を逃した。この大会から平野歩夢が登場。金はユーリ・ポドラドチコフ(スイス)、銀が平野、銅は平岡卓。

2018年(平昌五輪) 金

前回大会のリベンジを果たし、優勝。平野が2大会連続の銀、銅はスコット・ジェームズ(オーストラリア)だった。

ホワイトの公式インスタグラム:

「昨日起きたことが、まだ夢みたいだよ! アユム・ヒラノとスコット・ジェームズと一緒に表彰台に立てるなんて、これ以上ない幸せだ。いいときも悪いときもそばにいてくれて、僕を支えてくれた皆にありがとう。みんな大好きだよ!僕らはやり遂げたんだ!」

また、エクストリーム・スポーツにおける世界最高峰のコンテスト「ウィンター・エックスゲームズ」のスーパーパイプ(=ハーフパイプ)とスロープスタイルでは、2002年以降に出場した年ではほぼ毎回表彰台に立っており、そのうち金メダルは13個。まさに絶対王者と呼ぶにふさわしいスーパースターだ。

ウィンター・エックスゲームズの成績

(パ=スーパーパイプ、ロ=スロープスタイル)

2000年 パ 15位

2001年 パ 9位 ロ 7位

2002年 パ  ロ 

2003年 パ  ロ 

2004年 パ 10位 ロ 

2005年 パ 4位 ロ 

2006年 パ  ロ 

2007年 パ  ロ 

2008年 パ  ロ 

2009年 パ  ロ 

2010年 パ 

2011年 パ  ロ 13位

2012年 パ 

2013年 パ  ロ 5位

2015年 パ 4位

2017年 パ 11位

スケートボードの実力は?

13歳でプロのスノーボーダーとなったホワイトはその4年後、17歳の時に、幼い頃から親しんできたスケートボードのプロとしても活動を開始。2007年、21歳で「サマー・エックスゲームズ」を初制覇。エックスゲームズの冬季と夏季両方で金メダルを獲得するという史上初の快挙を達成した。

サマー・エックスゲームズ(スケートボード・ヴァート)の成績

2003年 6位

2004年 10位

2005年 

2006年 8位

2007年 

2008年 

2010年 

2011年 

また、同じく国際大会の「サマー・デュー・ツアー」では2005〜10年の間で9回もの優勝を誇っている。

11年にサマー・エックスゲームズで優勝して以来、スケートボードでは目立った大会への出場がなかったが、東京五輪でスケートボードが正式種目に採用されたことを受け、夏季五輪への参加を示唆。五輪出場に大きく近づくチャンスを得られる今回の世界選手権に参加し、その可能性を探るという。

平野歩夢とのライバル関係は?

今大会には、日本が誇るスノーボード界の若きスーパースター、平野歩夢も出場する。父がスケートパークを営み、幼い頃からスケートボードにも親しんできた平野もまた、東京五輪を目指すことを決断したのだ。

ホワイトと平野といえば、スノーボーダーとして良きライバル関係にあることはよく知られている。

まずは五輪。2014年のソチ五輪では、4位に泣いたホワイトと対照的に、平野が15歳74日での銀メダル獲得という冬季五輪史上最年少記録を更新。そして4年後の平昌五輪では、2本目の時点でトップに立っていた平野を、最終滑走で高難度の技を連発したホワイトが追い抜いて見事逆転優勝した。

またウィンター・エックスゲームズでは最大で2位差、ホワイトが出場しない大会では平野が優勝を勝ち取るなど、両者は互いに意識せざるを得ない戦いを繰り広げている。

ウィンター・エックスゲームズ(スーパーパイプ)

2013年 ホワイト 金 平野 銀

2015年 ホワイト 4位 平野 6位

2016年※ ホワイト 未出場 平野 金

(※オスロ大会)

2017年 ホワイト 11位 平野 9位

2018年 ホワイト 未出場 平野 金

王者に迫る20歳の平野、若き才能に追われる33歳のホワイト。その二人が、今度は舞台を雪上からコンクリートのコースに移し、再びのライバル対決を繰り広げることとなる。

ホワイトの公式インスタグラム:

「この時のことは本当に印象的だったから再投稿するよ。この写真を見れば分かると思うけど、アユム・ヒラノにはリスペクト以外の何もない。

勝てない時や、世界からの期待を乗り越える苦しみはよく分かるよ。皆が知っているか分からないけど、僕とアユムは、どちらもダブルコーク1440の練習中に病院に運ばれたんだ。

彼はあと少しで命を落とすところだったんだけど、治癒して、トリックへの恐怖を克服して、僕のオリンピックに対する気持ちに火をつけてくれたんだ。

彼とまた戦えることが楽しみで仕方がないよ」

注目のスケートボード・パーク世界選手権は12日開幕

両者が出場するその「スケートボード・パーク世界選手権」が、9月12日から15日までブラジル・サンパウロで開催される。

「パーク」とは、いくつものお椀が組み合わさったような形状のコースを使用する種目のこと。

スケートボードの種目のうち、これまでホワイトが国際大会で出場してきたのはスノーボード・ハーフパイプに最も近い形状のコースを使用する「ヴァート」だったが、東京五輪で採用されたのは「ストリート」「パーク」の2種のみ。そのため、縁石や階段の手すり、壁や坂を模したコースを使用する「ストリート」と比べ、より馴染みやすい「パーク」での参戦となった。

スケートボード界に君臨するトップ選手がひしめき合う中で、雪上の王者はどのような戦いを見せてくれるのだろうか。世界中から大きな注目が集まっている。

男子の日程は下記の通り(すべて日本時間)。

  • 9月12日(木) 25:50~ 男子予選
  • 9月13日(金) 26:45~ 男子準々決勝
  • 9月14日(土) 25:15~ 男子準決勝
  • 9月15日(日) 22:15~ 男子決勝