1月20日に開幕するテニス・グランドスラム(四大大会)のひとつ、「全豪オープン」。ディフェンディングチャンピオンとして同大会に挑む大坂なおみは、どのような選手と対戦する可能性があるのだろうか。15日にはドロー(トーナメント組み合わせ表)が発表されたが、ここでは大坂の今年の全豪オープンのライバル候補を紹介する。
大坂なおみの全豪オープン2020のライバルたち
1月20日に本戦が開幕する全豪オープンの組み合わせ抽選会が、16日に行われた。女子シングルで連覇を目指す大坂なおみ(WTAランク3位)は、第3シードでセクション3に入った。1回戦はチェコのマリー・ボウズコバと戦う。ここでは、各ラウンドで大坂と対戦する可能性の高い選手を紹介する。
※名前の右の順位は最新のWTAランキング
1回戦
マリー・ボウズコバ(チェコ)59位:1998年7月21日生まれ/大坂とは初対戦
大坂の初戦の相手は、チェコのマリー・ボウスコバに決まった。2014年、全米オープンジュニアのシングルスで優勝の実績はあるものの、全豪オープンの前哨戦として位置づけられている、今年のブリスベン国際、ホバート国際ではいずれも初戦で敗退している。大坂とは初対戦となる。
2回戦
ジェン・サイサイ(中国)41位:1994年2月5日生まれ/大坂に対し1勝1敗
2009年にプロに転向した。2010年シンガポールユースオリンピックで、ダブルスで金メダル、シングルスでは銅メダル獲得。2019年全仏オープンでは、ダブルスで準優勝した。全豪オープンシングルスでの最高成績は2016年の2回戦敗退。戦績的にはダブルスを得意とする選手といえる。
3回戦
ビーナス・ウィリアムズ(アメリカ)55位:1980年6月17日生まれ/大坂に対し1勝1敗-コリ・ガウフ(アメリカ)69位:2004年3月13日生まれ/大坂に対し0勝1敗
大坂と同じセクション3の1回戦には興味深いカードが組まれた。セリーナ・ウィリアムズの姉で、グランドスラム優勝7度の39歳ビーナス・ウィリアムズと、そのビーナスを2019年ウィンブルドンで破った15歳コリ・ガウフの再戦。アメリカ女子テニス界の世代交代が明確なものとなるのか、注目の一戦となる。
ビーナスは5度のウィンブルドン優勝、2度の全米オープン優勝のほか、2000年シドニーオリンピックで金メダルを獲得している。全豪オープンの最高成績は準優勝だ(2003年・2017年)。1990年代後半から、女子テニス界のトッププレイヤーとして活躍している。パワーテニスを武器にする。
対して、2018年にプロデビューしたガウフは、全豪オープン初出場となる。2018年全仏オープンジュニアのシングルスで史上2番目の若さで優勝、2018年全米オープンジュニアのダブルスで優勝している。2019年ウィンブルドンでは、オープン化後史上最年少となる15歳3ヵ月で予選から本戦入りを果たした。大坂とは2019年全米オープン3回戦で対戦し、敗れている。大坂と対戦することになるとすれば、全米オープンの借りを返したいところだろう。
バルボラ・ストリコバ(チェコ)33位:1986年3月28日生まれ/大坂に対し1勝2敗
2014年全米オープンではクルム伊達公子と組んだダブルスで、ベスト4に進出した。全豪オープンシングルスではベスト16(2016~2018年)が最高成績。2019年ウィンブルドンでベスト4に進出した。全豪オープンの前哨戦として位置づけられている、ブリスベン国際では2回戦敗退。ウィンブルドンではセリーナ・ウィリアムズに敗れたものの、ベテランとして大坂を苦しめうる存在だ。
4回戦
スローン・スティーブンス(アメリカ)25位:1993年3月20日生まれ/大坂に対し0勝2敗
2017年の全米オープンでグランドスラム初制覇を果たした。全豪オープンでの最高成績は2013年のベスト4。WTAランキング最高位はシングルス3位。ブリスベン国際では2回戦で敗退している。2019年4月にサッカーアメリカ代表のジョジー・アルティドールと結婚した。近年は決勝進出から1回戦負けという極端な戦績となっているが、好調の場合は大坂にとっても脅威になるだろう。
ソフィア・ケニン(アメリカ)15位/大坂に対し2勝2敗
グランドスラムでの最高成績は2019年全仏オープンでのベスト16。その全仏オープンでは、3回戦でセリーナ・ウィリアムズを2-0で破り4回戦に進出した。4回戦では優勝したアシュリー・バーティに1-2で敗れた。2019年全豪オープンでは2回戦で敗退している。1月9日に行われたブリスベン国際の2回戦で、大坂なおみと対戦。2-1(6-7、6-3、6-1)で大坂が勝利している。直近で勝利していることもあり、大坂からすると心理的に楽な相手かもしれない。
準々決勝
セリーナ・ウィリアムズ(アメリカ)9位:1981年9月26日生まれ/大坂に対し0勝2敗
グランドスラム通算23勝。全豪オープンは過去7度優勝(2003年・2005年・2007年・2009年・2010年・2015年・2017年)している。2012年にはロンドンオリンピックで金メダルを獲得。キャリアゴールデンスラムを達成するなど無類の強さを誇り、史上最高の女子テニスプレーヤーと称される。また、姉ビーナスとともに女子テニス界にパワーテニスを持ち込んだ選手として知られる。大坂がグランドスラム初優勝を果たした、2018年全米オープン決勝の相手。大坂は2連勝中ながら、復帰以来そのプレーは安定感を増しており、簡単に勝てる相手ではない。
ジョアンナ・コンタ(イギリス)13位:1991年5月17日生まれ/大坂に対し3勝0敗
グランドスラムでの最高成績はベスト4(2016年全豪オープン、2017年ウィンブルドン、2019年全仏オープン)。大坂とは2015年全米オープンや2017年全豪オープンなど3度対戦し、すべて勝利している。ブリスベン国際では、バルボラ・ストリコバ(チェコ)に1-2で破れ初戦で敗退した。コンタは大坂の天敵ともいえる選手だ。
準決勝
アシュリー・バーティ(オーストラリア)1位:1996年4月24日生まれ/vs大坂2勝2敗
バックハンドのスライスに特徴を持ち、ネットプレーにつなげるのが非常に上手いオールラウンダー。現在シングルスでWTAランキング1位に立つ。2019年は全仏オープンで初のシングルスグランドスラム優勝を果たし、WTAが選出する年間最優秀選手に輝いた。全豪オープンでは2019年のベスト8が最高成績で、今大会は地元オーストラリアでグランドスラム制覇を目指す。全豪オープンとは幾分相性が悪いなか、世界1位、地元大会と背負うものが多いバーティ。大坂が対戦することになれば、精神面の戦いになるか。
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ペトラ・クビトバ(チェコ)8位:1990年3月8日/vs大坂0勝2敗
182cmの大きな体格を活かしたスピードあるサーブを武器としている。サーブだけでなく、バックハンドにも威力があり、アグレッシブなプレースタイルが特徴。ウィンブルドンで2度優勝(2011年、2014年)している。2019年の全豪オープンでは、1セットも落とすことなく決勝に進出。決勝では大坂なおみと対戦し、1-2(6-7、7-5、4-6)で破れ、惜しくも優勝を逃した。WTAランキング自己最高は2位。ブリスベン国際ではベスト4と調子は悪くない。昨年度の勢いを再現するプレーを見せるならば、大坂も油断できない。
別の山のランキング上位者、カロリナ・プリスコバ(チェコ、2位)、シモナ・ハレプ(ルーマニア、3位)、エリナ・スビトリナ(ウクライナ、5位)、ベリンダ・ベンチッチ(スイス、7位)、キキ・ベルテンス(オランダ、9位)は決勝まで大坂と当たらない。