フィギュアスケートのGPファイナルがバンクーバーで開幕:女子フィギュアでは日本とロシアの正面対決

男子フィギュアでは宇野昌磨がアメリカのネイサン・チェンとバンクーバーで一騎打ち、羽生結弦は怪我で欠場
公式練習で演技を披露するロシアのザギトワ選手(左)と紀平梨花選手(右)
公式練習で演技を披露するロシアのザギトワ選手(左)と紀平梨花選手(右)公式練習で演技を披露するロシアのザギトワ選手(左)と紀平梨花選手(右)

2010年の冬季オリンピックが行われたカナダのバンクーバーで2018-19ISUグランプリ(GP)ファイナルが6日(日本時間7日)から開幕した。

世界中のトップ・フィギュア選手たちがカナダに集結したが、オリンピック2連覇中の羽生結弦(はにゅう ゆずる)は足首負傷のためGPファイナル欠場となる。

羽生不在の本大会では今年2月に行われた平昌冬季オリンピックで銀メダルに輝いた宇野昌磨(うの しょうま)と世界選手権王者のネイサン・チェン(アメリカ)が男子金メダルをめぐって一騎打ちになりそうだ。

また女子では平昌五輪金メダリストのアリーナ・ザギトワ(ロシア)に優勝が期待されているが、同じ16歳の紀平梨花(きひら りか)との正面対決も見逃せなさそうだ。

GPファイナルに向けてバンクーバーで練習を行う五輪メダリストのザキトワ選手
GPファイナルに向けてバンクーバーで練習を行う五輪メダリストのザキトワ選手GPファイナルに向けてバンクーバーで練習を行う五輪メダリストのザキトワ選手

ザギトワはわずか16歳という若さながら、今シーズンから採用された国際スケート連盟(ISU)の新ルールに基づいたスコアで全3種目(トータル、ショート、フリー)の世界記録を保持する。先月ロシアで行われたロステレコム杯のショートプログラムでは80.78の記録をたたき出し優勝した。

9月に行われたドイツのネーベルホルン杯ではフリースケーティング、トータルのスコアで世界記録を打ち出した。

しかし今回の大会ではシニア初出場となる同じ16歳の紀平との正面対決になりそうだ。

今シーズンを通して順調に力を伸ばしてきた紀平は、バンクーバーの地に立っても落ち着いた様子である。

「別に焦ることもなく強気になることもなく、思った通りの練習が出来た」と公式練習後には冷静に語った。

GPファイナルに向けてバンクーバーで調整を行う紀平選手
GPファイナルに向けてバンクーバーで調整を行う紀平選手GPファイナルに向けてバンクーバーで調整を行う紀平選手

難易度の高いとされるトリプルアクセルを得意とする紀平は14歳の時に全日本ノービス選手権で大会デビューを果たし、今シーズンのGPシリーズでは11月のNHK杯、フランス杯で優勝に輝いた。

NHK杯のフリースケーティングでは今年最高点の154.72をたたき出し、今回も完璧な演技を目指す。

「あと2試合、フリーではNHK杯での様な完璧な演技とショートではほとんど練習では上手く行っているので、練習通りにすべてのジャンプがきれいに決まればいいなと思っています」

GPファイナルはシリーズを勝ち抜いた世界のトップ6だけが出場を許される大会だが、今大会の女子はロシアから3名、日本からも3名参加のまさに日ロ対決となり注目が集まる。日本女子の3人出場は2010年以来8年ぶりとなる。

紀平と同じく今回GPファイナル初出場となる坂本花織(さかもと かおり、18)はシリーズ今季初戦のスケートアメリカで2位、11月のヘルシンキ大会で3位になり勝ち上がってきた。

また紀平の練習パートナーであり、日本女子の中で最年長の宮原知子(みやはら さとこ、20)はシリーズ初戦を制し、NHK杯でも2位について、日ロ対決には「負けたくない」と闘志を燃やしている。

バンクーバーの競技会場内にて(左から坂本選手、宮原選、紀平選手)
バンクーバーの競技会場内にて(左から坂本選手、宮原選、紀平選手)バンクーバーの競技会場内にて(左から坂本選手、宮原選、紀平選手)

男子では宇野昌磨と大会連覇を狙うネイサン・チェンの一騎打ち

バンクーバーで行われるGPファイナルでは、平昌五輪の銀メダリスト宇野昌磨と世界選手権覇者のネイサン・チェンが金メダルを狙っての一騎打ちになりそうだ。

今シーズンのGPシリーズでともに2つの金メダルを獲得してきた宇野とチェンは、今大会でシングル、フリーの両種目で全面対決することになる。

2人がそろって試合に出場するのは10月に埼玉で行われたジャパンオープンでのフリースケーティング以来だ。その際には宇野が優勝、チェンは4位に終わっている。

今年の平昌五輪ではショートでのジャンプ・ミスが影響しチェンは5位に終わったが、昨年のGPファイナル、3月の世界選手権では宇野を2位に退けてトップを制している。

GPファイナルに出場を決めていた五輪2連覇の羽生結弦は11月のロシア杯での練習中に足首を負傷し、今大会は欠場することになった。

これまで順調に試合で好成績を残してきた宇野は、今回の大会で初優勝の可能性が大である。

現地での公式練習を終えて、「(練習)中盤では自分で調子が悪いと思っていたのですけども、よくよく考えてみると調子が悪いのはフリップだけで、後半は飛べていたのでそれを試合に持って行けたらなと思います」宇野はそう語った。

GPシリーズ前の9月にイタリアで行われたロンバルディア杯のショートプログラムでは宇野は104.15の高得点を打ち出したが、それはモスクワで羽生が出した110.53の歴代最高得点に次ぐものである。

バンクーバーの競技場で試合に向けて練習を行う宇野選手
バンクーバーの競技場で試合に向けて練習を行う宇野選手バンクーバーの競技場で試合に向けて練習を行う宇野選手

一方で19歳になりアメリカ名門エール大学に入学したばかりのチェンであるが、多忙な学生生活の影響はなさそうだ。GPシリーズ初戦のスケートアメリカでは自己最高得点を打ち出し、今シーズンでは羽生に次ぐフリースケーティングでの最高得点(189.99)と総合得点(280.57)を記録している。

昨シーズンの世界選手権覇者のアメリカのネーサン・チェン選手
昨シーズンの世界選手権覇者のアメリカのネーサン・チェン選手昨シーズンの世界選手権覇者のアメリカのネーサン・チェン選手

宇野とチェンの後を追うのはチェコ共和国のミハル・ブジェジナとロシアのセルゲイ・ボロノフである。

28歳のブジェジナは7年ぶりのGPファイナル出場となるが、今シーズンはスケートアメリカとヘルシンキ大会で2位につけている。

31歳になるボロノフは昨年のNHK杯で優勝し、GPファイナルでは4位に終わった。今シーズンのスケートアメリカでは3位に、NHK杯では宇野に破れ2位につき、今大会に出場が決まった。

男子最年少は韓国から初出場の17歳、チャ・ジュンファンである。

カナダ・トロントにおいて羽生と同じコーチであるブライアン・オーサーに指導を受け、めきめきと実力を見せてきた。

9月にカナダで開催されたオータムクラシックでのフリースケーティングの得点では羽生を上回り、GPシリーズ第2戦スケートカナダ、第3戦ヘルシンキ大会では3位に輝いた。

オータムクラシックの表彰台に立つチャ選手(左)と羽生選手(中央) Skate Canada / Danielle Earl Photography
オータムクラシックの表彰台に立つチャ選手(左)と羽生選手(中央) Skate Canada / Danielle Earl Photographyオータムクラシックの表彰台に立つチャ選手(左)と羽生選手(中央) Skate Canada / Danielle Earl Photography

そして羽生の欠場によってGPファイナル出場が決まったのが、開催国カナダ出身の26歳キーガン・メッシングである。スケートカナダのショートプログラムでは1位、フリースケーティングでは2位の得点を上げた。ロシア杯では上位3位入賞は逃したが、急遽GPファイナル参戦が決まったメッシングもメダルを狙う。

楽しめましたか?お友達にシェアしよう!