フィギュアGPファイナル男子FS: ネイサン・チェンが3連覇。4回転ルッツ成功の羽生結弦は準優勝

羽生結弦は、積極的なチャレンジで準優勝(写真は平昌五輪)
羽生結弦は、積極的なチャレンジで準優勝(写真は平昌五輪)羽生結弦は、積極的なチャレンジで準優勝(写真は平昌五輪)

イタリアのトリノで行われているフィギュアスケートのISU(国際スケート連盟)グランプリシリーズ「GPファイナル」。3日目となる現地時間12月7日には、男子フリースケーティングが行われ、ネイサン・チェン(アメリカ合衆国)が優勝した。日本の羽生結弦(ANA)は準優勝。3位にはフランスのケヴィン・エイモズが入った。

前日のショートプログラムを首位と12.95点差の2位で終えた羽生結弦は、挽回を期すべく、2年ぶりに4回転ルッツに挑戦。終盤のジャンプが乱れたものの、これまで回避してきたルッツを成功させ、194.00点(技術点100.36、構成点93.64ポイント)と次に繋がる結果となった。羽生は、前日のショートプログラムとの合計で291.43ポイントの準優勝。

優勝は、前日首位で終えた米国のネイサン・チェン。この日は、映画『ロケットマン』に使われたエルトン・ジョンの曲を活かした演目を完璧にこなし、自身が持つ世界記録を大幅に更新する224.92点(技術点129.14、構成点95.78)ポイントを叩き出した。前日のショートプログラムとの合計で335.30の世界記録を更新。3連覇を果たした。

男子の結果は以下の通り。

  1. ネイサン・チェン(アメリカ合衆国)335.30(SP:110.38/FS:224.92)
  2. 羽生結弦(ANA)291.43(SP:97.43/FS:194.00)
  3. ケビン・エイモズ(フランス)275.63(SP:96.71/FS:178.92)
  4. アレクサンドル・サマリン(ロシア)248.83(SP:81.32/FS:167.51)
  5. ボーヤン・ジン(金博洋/中国)241.44(SP:80.67/FS:160.77)
  6. ドミトリー・アリエフ(ロシア)220.04(SP:88.78/FS: 131.26)

羽生結弦はフリースケーティング(FS)の後、囲み取材に応じた。

――結果を受けて?

こんなものですね。ループもルッツも成功し、後半に4回転を3本入れて……という印象が強いですが、実際に点数を取れているものは少ないと思っています。でも、かなり実りのある試合にできました。ネイサン(・チェン)がああいう演技をしてくれなかったら、僕は挑戦していないですから。(ブライアン・オーサー)コーチが来られなかったことは残念だったかもしれませんが、それのせいで跳べなかったとは思いませんが、その意味でも成長できた試合でしたし、ショート(プログラム/SP)のミスがあってこその、今回のFSの挑戦だったと思います。いろいろと考えられされることや、いろいろな必要なことも見えてきました。世界選手権(2019年3月、ネイサン・チェンが優勝、羽生は2位)の時はかなわないなぁと思って、もっと強くならなきゃなという感じで笑えていたのですが、今回は勝負には負けていますが、自分の中での勝負にもある程度勝てたので、試合としては1歩強くなれたのではと思います。

――自分の中の勝負とは?

具体的にはループ、ルッツですね。ループも、久しぶりにきれいに決まりましたし「やっと」という思いも強いです。もちろんトランジション(つなぎ)については、4回転を5本の構成にして、ルッツを入れて‥‥…と、抜けている部分は多々あると思います。そこは滑り込みをしながら、全部跳べる状態に、滑り込んだ上で全部跳べるようにしたいと思っています。それができてこそのフィギュアスケートだと思います。ジャンプ大会ではないので。取りあえずループ・ルッツを跳べたことは、点数以上に、自分の中で進めたと思っています。

――最初の2本(4回転ループと4回転ルッツ)に集中して、体力を使った印象だったが?

疲れてしまいますよね。この構成で滑り込んでいるわけではないので「使わないでいられるように」と思っています。ただ前半に関してはできました。これから必要になってきますし、試合で……、トレーニングとは言いたくないですけど、結果としてはトレーニングになったので、ここからまた1歩強くなるキッカケになったと思います。

――4回転ルッツはきれいに跳べて自信になったのでは?

ルッツはきれいに跳べたのですが、セットポジションが長いですし、もっと詰められると思います。

――朝の公式練習で手ごたえを感じたか?

もちろん手ごたえは感じましたけど、スケートは全部跳べて、全部きれいにプログラムとしてまとまってナンボだと思うので、その点は悔しいですし、これからはこの構成で滑り込みができて、またつらい練習ができると思うと、ちょっとワクワクしています。

――ネイサン・チェンとの約40点差を埋めていく方法は?

点数ほど(差は)大きくはないと思っています。この採点方法自体が、細かいミスを続ければ続けるほど、どんどん差が広がってしまいます。ただ、“降りた”ジャンプは多くありました。特にループ、ルッツに関しては、多く加点をもらえています。あとはきれいに降りるだけと思っているので、思った以上に差は感じていないです。ただSPに関してはトーループが不安なので、そこをどうやって変えていくか、考え切らないといけない。あとSPでもループとかルッツとか、確率が良くなれば可能性はある。全日本(12月19日開幕の第88回全日本フィギュアスケート選手権)までには無理ですけど、いろいろ楽しみながら、強くなっていきたいと思います。今回の点差はすごいですけど、もちろん自分もそういった点差で勝ったことはありますけど、今回の点差は、そんなに自分が思っているほど遠くないと思っています。

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