世界ジュニアフィギュアスケート選手権プレビュー:鍵山優真と佐藤駿が出場する男子シングルはダブル表彰台も期待

女子では河辺愛菜と川畑和愛が世界を驚かせられるか

世界ジュニアフィギュアスケート選手権が3月2日から8日にかけてエストニアで開催される。鍵山優真と佐藤駿が出場する男子シングルは、日本勢ダブル表彰台に大きな期待がかかる。また、海外勢ではロシアの13歳、カミラ・ワリエワが女子シングルの金メダル有力候補だ。

左から佐藤駿、川畑和愛、河辺愛菜、鍵山優真。日本勢のメダル獲得に期待がかかる
左から佐藤駿、川畑和愛、河辺愛菜、鍵山優真。日本勢のメダル獲得に期待がかかる左から佐藤駿、川畑和愛、河辺愛菜、鍵山優真。日本勢のメダル獲得に期待がかかる

男子は日本勢による金メダル争いの可能性も

世界ジュニアフィギュアスケート選手権は、国際スケート連盟(ISU)が主管轄で行うジュニア世代最大の大会だ。最近では、羽生結弦が2月上旬に行われた四大陸フィギュアスケート選手権で金メダルを獲得したことにより、男子史上初めて、ジュニアとシニアの主要国際大会を完全制覇する「スーパースラム」を達成したが、世界ジュニア選手権はそのうちの一つに含まれている。

日本からは男女シングルで各2名ずつと、アイスダンスで1組が出場する。

なかでも男子シングルはダブル表彰台入り期待される種目だ。16歳の鍵山優真は今シーズン、急成長を見せている注目株。全日本フィギュアスケートジュニア選手権で頂点に立った勢いのままに、昨年末行われた全日本フィギュアスケート選手権では宇野昌磨、羽生に次ぐ3位に食い込んだ。この結果により、シニアの国際大会デビュー戦となる四大陸フィギュアスケート選手権への出場権を手にすると、初出場ながら3位と大健闘。1月に行われたローザンヌ・ユース冬季五輪との2冠を狙って今大会に臨む。

鍵山優真はシニアの国際大会デビュー戦となる四大陸フィギュアスケート選手権で3位の好成績を残している
鍵山優真はシニアの国際大会デビュー戦となる四大陸フィギュアスケート選手権で3位の好成績を残している鍵山優真はシニアの国際大会デビュー戦となる四大陸フィギュアスケート選手権で3位の好成績を残している

もう一人の男子シングル日本代表は、鍵山と同い年のライバル・佐藤駿だ。佐藤は昨年12月に行われたジュニア・グランプリファイナルの覇者。今大会も制することができれば、小塚崇彦、羽生、宇野に続く日本男子4人目のジュニア2冠獲得となる。佐藤は2022年の北京冬季五輪を見据え、来シーズンからのシニア転向をすでに表明している。同じ宮城県仙台市出身の先輩、羽生に続く「スーパースラム」を達成するためには今大会でのタイトルが必須。ジュニア最後の大一番に向け、「自分の演技に集中して頑張りたい」と静かに闘志を燃やしている。

佐藤駿は2004年2月6日生まれ。小塚崇彦、羽生結弦、宇野昌磨に続く日本男子4人目のジュニア2冠獲得をめざす
佐藤駿は2004年2月6日生まれ。小塚崇彦、羽生結弦、宇野昌磨に続く日本男子4人目のジュニア2冠獲得をめざす佐藤駿は2004年2月6日生まれ。小塚崇彦、羽生結弦、宇野昌磨に続く日本男子4人目のジュニア2冠獲得をめざす

女子シングルはロシアの超新星が優勝候補筆頭

女子シングルには、河辺愛菜(かわべ・まな)と川畑和愛(ともえ)が出場する。

15歳にして今シーズンの全日本ジュニア選手権で初優勝を果たした河辺は、トリプルアクセルの大技を持つ。試合で初めて成功させたのが全日本ジュニア選手権で、ジャンプだけでなく表現力や演技一つひとつの質の高さでも他を寄せ付けなかった。昨年末の全日本選手権では、「世界で戦うこと」を視野に入れ、シニアの舞台でもトリプルアクセルに挑戦。ショートプログラムでは回転不足となったが、フリーの冒頭では見事に成功させ、順位こそ13位に終わったものの一定のインパクトを残した。

一方の川畑は、3回目の出場となった昨年末の全日本選手権で3位と躍進して喝采を浴びた。17歳の今もジュニアのカテゴリーで試合に出続けているのは、「自分のペースでジュニアから成績を積み重ねてシニアに上がりたい」という筋道をはっきりと立てているから。昨シーズンの世界ジュニア選手権は12位に終わったものの、今シーズンの好調ぶりから、全日本選手権に続く大幅なジャンプアップも期待できる。

河辺愛菜は15歳にして今シーズンの全日本ジュニア選手権で初優勝。昨年末の全日本選手権にも挑戦している
河辺愛菜は15歳にして今シーズンの全日本ジュニア選手権で初優勝。昨年末の全日本選手権にも挑戦している河辺愛菜は15歳にして今シーズンの全日本ジュニア選手権で初優勝。昨年末の全日本選手権にも挑戦している

女子シングルの優勝候補筆頭に挙げられているのは、ロシアの超新星カミラ・ワリエワだ。

2006年4月26日生まれで現在13歳のワリエワは、今シーズンのジュニア・グランプリファイナル女王となっただけでなく、今年2月に行われたロシアジュニア選手権で衝撃を与えた。ショートプログラムでは冒頭の3回転ループに始まり、完璧な演技で78.50点を記録。フリーでは4回転ジャンプを2本決めて159.67点。合計238.17点とシニア顔負けのハイスコアをたたき出してみせた。ワリエワの200点超えはこれが初めてではなく、これまで何度も記録している安定感を誇ることから、今大会でも表彰台の中央に最も近い人物と言えるだろう。

昨年末の全日本選手権で3位の結果を残した川畑和愛。バレエを習っていたこともあり、抜群の表現力を持つ
昨年末の全日本選手権で3位の結果を残した川畑和愛。バレエを習っていたこともあり、抜群の表現力を持つ昨年末の全日本選手権で3位の結果を残した川畑和愛。バレエを習っていたこともあり、抜群の表現力を持つ

「うたしん」コンビは10位以内を狙う

アイスダンスには、吉田唄菜(うたな)&西山真瑚(しんご)ペアが出場する。

「うたしん」の愛称でファンに親しまれている2人が正式にコンビを結成したのは2019年2月のこと。それから1年も満たない同年9月にはジュニアグランプリシリーズ・アメリカ大会に出場して6位入賞を果たし、今年1月にはローザンヌ・ユース冬季五輪の混合団体金メダル獲得に貢献するなど、着々と力をつけてきている。今大会は10位以内を目標に掲げ、ジュニア世代世界トップレベルとの戦いに挑む。

男子では高橋大輔、織田信成、羽生、宇野ら、女子では安藤美姫、浅田真央、村上佳菜子など、のちにオリンピアンとなる選手たちが金メダルを獲得している世界ジュニア選手権。今大会からも生まれるであろう未来のオリンピアンの若さあふれる演技を見逃すわけにはいかない。

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