卓球の世界ランキングの決め方を解説|五輪出場争いの行方は

日本卓球協会(JTTA)は2018年9月に開催した理事会にて、Tokyo 2020(東京五輪)の日本代表選考基準を決定した。男女シングルスに関しては次にように定められている。

2020年1月発表の世界ランキング日本人上位2名を日本オリンピック委員会(JOC)に推薦する

正式な内定はJOCからの承認を得た後となるが、実質的には、2019年12月に開催されるITTF(国際卓球連盟)主催の大会が終了した時点で、内定となる男女各2選手が決定する。なお世界ランキングが同じだった場合の上位決定方法も定められているが、この項目が適用される可能性はないため、ここでの説明は省く。

東京五輪内定の座を争う石川佳純と平野美宇
東京五輪内定の座を争う石川佳純と平野美宇東京五輪内定の座を争う石川佳純と平野美宇

■世界ランキングの算出方法は?

世界ランキングはITTFによって定められているが、2018年1月施行の規定から大幅な変更が行われたばかりだ。中でも最も大きな変更点は、大会の結果によって選手が得られるポイントの有効期限が原則1年間となったこと。この結果、過去の実績ではなく、直近1年間の成績が重視されることになった。2019年1月にもルール変更は行われたが、基本は2018年に変更されたルールの不備を調整する内容となっている。

世界ランキングは、選手が大会で得たポイントによって決定される。ただし、大会で得られるポイントは単純に加点されるのではなく、最良の結果8つが計算対象となる。「8つ」ということは、理論上8大会に出場するだけで世界ランキング1位になることも可能となる。ただし、大会で得たポイントの有効期限は1年間、あるいは次の同大会までのため、世界ランキング上位を維持するためには、常にITTF主催の大会に出場し続ける必要があるのだ。

また大会での順位だけでなく、大会の「格」によっても、得られるポイントは大きく異なっている。この世界ランキング方法は、テニスに近いと言える。ATP(男子プロテニス協会)ランキングは直近52週間(約1年間)のうち最良の18大会、WTA(女子テニス協会)ランキングは直近52週間(約1年間)のうち最良の17大会のポイントが加算される。

ITTF世界ランキング対象となる大会で得られるポイントは、ITTF公式サイトで公開されている。

卓球の世界ランキングは原則、直近1年間に行われた大会のうち、最良の8大会の結果がポイントとなる。ただし、あくまでも「原則」であり、さらにポイントを加算できる“ボーナス”と言える大会がある。それが2019年よりスタートした「T2ダイヤモンド」だ。T2ダイヤモンドで得たポイントは、最良の8大会に含まれず、そのまま加点できるため、世界ランキングを競う上で、大きなボーナスとなっているのだ。

日本のエース・張本智和(木下グループ)は13890ptで世界ランキング5位(日本人最上位)だが、その内訳は以下の通り。(12月11日時点)

  • 2018年12月 ワールドツアーグランドファイナル優勝 2550pt
  • 2019年11月 男子ワールドカップ準優勝 1915pt
  • 2019年8月 ワールドツアー・ブルガリアオープン優勝 1800pt
  • 2019年5月 ワールドツアープラチナ中国オープン ベスト4 1465pt
  • 2019年6月 ワールドツアー香港オープン準優勝 1440pt
  • 2018年4月 世界選手権スウェーデン・ハルムスタッド(団体)1250pt
  • 2019年4月 世界選手権ハンガリー・ブダペスト ベスト16 1200pt
  • 2019年4月 アジア選手権インドネシア・ジョクジャカルタ3位 1170pt
  • 2019年11月 T2ダイヤモンド・シンガポール大会3位 700pt
  • 2019年7月 T2ダイヤモンド・シンガポール大会 ベスト16 400pt

上位8大会に加えて、出場したT2ダイヤモンド2大会のポイントが加算されている。さらに細かく見ると、2018年12月のWTグランドファイナルで優勝して得た「2550pt」は、2020年12月12日に同大会が開幕するため、同大会の終了をもって無効となる。一方、世界選手権スウェーデン・ハルムスタッド(団体)で得た「1250pt」は、大会から1年以上経過しているにもかかわらず、有効となっている。世界選手権は2年に一度の開催となっているため、次の大会・2020年3月に韓国・釜山で開催される同大会まで有効となる。ただし、4年に一度の開催となるオリンピックの有効期限は1年間となっている。

■東京五輪の日本代表選考争い

東京五輪の卓球競技シングルス種目で日本から出場できる選手は男女2枠ずつ。そのうち、男子シングルスの日本人最上位・張本智和と、女子シングルスの日本人最上位・伊藤美誠(スターツ)は、2020年1月発表の世界ランキングで日本人2位以上になることが確定している。

一方、残りの1枠を巡っては、丹羽孝希(スヴェンソン)と水谷隼(木下グループ)、石川佳純(全農)と平野美宇(日本生命)が激しく競っている。12日開幕のWTグランドファイナルを前にした世界ランキングのポイントは以下の通り。

男子シングルス日本代表争い

  1. 張本智和:13890pts
  2. 丹羽孝希:10200pts
  3. 水谷 隼:10065pts

Current Ranking List - Men

女子シングルス日本代表争い

  1. 伊藤美誠:14590pts
  2. 石川佳純:11515pts
  3. 平野美宇:11325pts

Current Ranking List - Women

男子シングルスでは丹羽がリードしているものの、同大会は出場せず(リザーブ)。水谷が同大会でベスト4以上の成績を残せば、逆転となる。石川と平野は、相手よりも上に勝ち上がった方が内定を獲得。同成績の場合は、石川の内定となる。

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