9 - 22 1 2020
ローザンヌ2020をもう一度 | ユースオリンピック冬季競技大会
スイス
スイスのローザンヌで開催される冬季ユースオリンピックの注目選手を紹介
今月開催されるのはユースオリンピック冬季競技大会2020だが、すでにシニアレベルの大会に出場している選手も多数参加する。
以下では、スイスからフランスにかけてまたがる山岳地帯で1月9日から22日まで行われる大会の注目選手を紹介する。
ローザンヌ2020はOlympic Channelでライブ配信される。サイトには日程や視聴方法も掲載されている。
9 - 22 1 2020
ローザンヌ2020をもう一度 | ユースオリンピック冬季競技大会
スイス
日本のスノーボーダー、平野流佳は五輪銀メダル2つを誇る平野歩夢の親戚ではないが、同様の成功を期待されている。
17歳の平野が得意とする種目も、オリンピアンと同じハーフパイプだ。
2019年はFISジュニア世界選手権 で銀メダリストに輝いた。その舞台は、ローザンヌ2020と同じレザンだった。
ただし、ハーフパイプには平野歩夢の弟である平野海祝も出場する。
地元勢ではニック・プエンターが期待を集める。
17歳の新鋭は昨年2月にサラエボで開かれた2019ヨーロッパユースオリンピックフェスティバルでビッグエア、スロープスタイルの2種目で金メダルを獲得。ただし、4月のジュニア世界選手権では期待に応えられなかった。
日本勢では女子にも金メダルを狙える選手がいる。中でも注目はハーフパイプジュニア世界選手権を2連覇した小野光希だ。
いずれの大会でも、小野のライバルになったのはアメリカのテッサ・モード。連続銀メダルに終わったモードだが、冬季五輪金メダリストのクロエ・キムに続くべく成功を目指す。
フリースタイルスキーではエストニアのケリー・シルダルに注目が集まる。平昌2018 の金メダル候補の一人だったが、ひざのケガで出場を逃した。
その悔しさを晴らすべく出場した昨年2月のハーフパイプ世界選手権では、五輪金メダリストのキャシー・シャープを破り、見事金メダリストに輝いている。
スロープスタイルもこなす17歳はジュニア世界王者でもあり、Xゲームズでも複数のメダルを手にしている。
女子ハーフパイプでは中国のジャン・クーシンからも目を離せない。平昌2018に出場しており、ワールドカップでたびたび勝利を挙げている。
スイスのスロープスタイルおよびビッグエアスキーヤー、ジェニー=リー・バーマンソン もXゲームズで表彰台を経験しており、昨シーズンの数カ月をケガで棒に振ったうっぷんを晴らそうとしている。
スロープスタイルとビッグエアではアメリカのキアナン・フェーガンにも注目。2018-19シーズンのワールドカップでたびたびトップ3に入り、知名度を上げた。
冬のスイス・アルプスと言えば雪が連想されるように、フィギュアスケートと言えばロシア勢から目を離すことができない。
ローザンヌ2020ではロシアのスタースケーターの多くが不在となるが、ダニイル・サムソノフ には注目したい。この14歳の新星を指導しているのは、平昌2018金メダリストのアリーナ・ザギトワを育てたエテリ・トゥトベリーゼだ。
サムソノフは昨年12月のジュニアグランプリファイナルで銅メダルを獲得。この大会で銀メダルを手にしたのは、同じくローザンヌ2020に出場するロシアのアンドレイ・モザレフだった。
その1年前のジュニアグランプリで栄冠に輝いたカナダのステファン・ゴゴレフも、有力なメダル候補に挙げられる。
15歳のゴゴレフはブライアン・オーサー (2014、2018年に羽生結弦 をオリンピック連覇に導いた)の指導を受けていたものの、今シーズンからコーチを変更。現在では世界選手権2連覇中のネイサン・チェンと同じラファエル・アルトゥニアンに教えを受けている。
一方、女子シングルでは韓国のユ・ヨンが金メダルに最も近い存在と見られている。
韓国の期待を背負う15歳は、シニアデビュー戦のスケートカナダで女子史上11人目のトリプルアクセルを成功。見事に3位でフィニッシュした。
しかし中国杯では4位に終わったため、惜しくもグランプリファイナル出場を逃した。
トゥトベリーゼの「3A」と呼ばれる3人のスケーター、グランプリファイナルを制したアリョーナ・コストルナヤ、ジュニア世界選手権2連覇のアレクサンドラ・トゥルソワ、現ロシア女王のアンナ・シェルバコワらは、ローザンヌ2020に出場しない。
同じくトゥトベリーゼの教え子でジュニアグランプリファイナル優勝のカミラ・ワリエワや、アメリカ選手権を制覇したアリサ・リュウも不在となる。
伝統的にそり競技が強いラトビアでは、少なくとも2選手のメダル獲得に期待が高まっている。
その1人がリュージュのギンツ・ベルジンス。昨年1月にはローザンヌ2020で使用されるサン・モリッツのコースで結果を残し、ジュニアヨーロッパチャンピオンに輝いた。
その後もユースワールドカップで2勝を挙げたベルジンスは、ドイツのティモン・グランカノロと共に2019-20シーズン総合ランキングの首位を並走。2人はローザンヌでも栄冠を争うことになりそうだ。
ドイツはリュージュ女子にも強力な選手が控えており、ジェシカ・デーゲンハルトとメーレ・フレーベルはユースワールドカップで優勝を争っている。
もう1人、ラトビアでメダル獲得を期待されている選手が、アルペンスキーのジェニフェラ・ゲルマネだ。
16歳のゲルマネは、非公式ながらもU-14/U-16世界選手権として認知されているFISアルプチンブラチルドレンカップで栄冠を獲得。
同大会では過去にもミカエラ・シフリンやリンゼイ・ボン、ヤニツァ・コステリッチなど多くのオリンピック金メダリストが優勝しているだけに、ゲルマネが偉大な先輩たちに続く可能性は大いにある。
アルペンスキーの強豪国オーストリアからも、アマンダ・ザルツゲーバーを推す声が多く聞こえてくる。この若きオールラウンダーは母親がオリンピック金メダリストのアニタ・バヒター、父親が世界選手権の回転で銀メダルを獲得したライナー・ザルツゲーバーというサラブレッドだ。
2019年は度重なる故障で苦しんだザルツゲーバーだが、ユースオリンピックでは間違いなくメダル争いに名乗りを上げてくるだろう。
地元スイスでは、リュック・ロデュイやデルフィーヌ・ダルベレイなどがメダル候補に挙がっている。
フランスのリゾート地レ・テュッフで行われるバイアスロンでは、すでにシニア大会に参戦しているオーストリアのルーカス・バイスバッヒャーが優勝候補の筆頭格。
すぐ近くのバレ・ド・ジューが舞台となるクロスカントリースキーでは、ドイツ女子チームに注目のタレントが集まっている。
ヘレン・ホフマンとゲルマナ・タンハイマーは、サラエボで行われた昨年2月のヨーロッパ冬季ユースオリンピックフェスティバル(EYOF)でシニア世代を相手に奮闘。周囲より1年先を進んでいる経験を生かし、ローザンヌ2020では金メダル候補として期待されている。
同じくクロスカントリースキーでは、アメリカのウィル・コックにも注目したい。父親はインスブルック1976で銀メダルに輝き、オリンピックのクロスカントリースキーでアメリカに初のメダルをもたらしたビル・コックだ。
ローザンヌ2020では、ディエゴ・アマヤがコロンビア初のスピードスケーターとして冬季ユースオリンピックに出場する。
この南米の国から今大会に出場するのは、女子モノボブのマウデ・クロスランドとアマヤの2人だけだ。
16歳のアマヤは、2019-20 ISUジュニア世界選手権の1000mと1500mで好成績をマーク。サン・モリッツの凍結湖が舞台となる今大会でも活躍を狙っている。
そのアマヤを脅かす存在として注目されるのが、アジア最高と評される日本の山本 悠乃だ。
女子ではオランダ勢が一大勢力となり、ミルテ・デ・ブールは今シーズンのジュニアワールドカップ2大会でインパクトを残している。
一方、アメリカのマサチューセッツ州に拠点を置くアルペンスキーヤー、アビガイル・ビエイラは、トリニダード・トバゴ初の冬季ユースオリンピック出場選手となる。
今大会で回転と大回転にエントリーしている17歳が北京2022にも出場できれば、トリニダード・トバゴからは20年ぶりに冬季オリンピアンが誕生する。
ニューヨーク生まれのジュリアン・マカラエグも、冬季ユースオリンピックのショートトラックスピードスケートに初めて出場するフィリピン人選手に。フィリピンのアスリートが冬季ユースオリンピックに参加すること自体、2012年大会以来となる。
ショートトラック女子で活躍が期待されているのは、スロバキアのペトラ・ルスナコバ。昨年のヨーロッパユースオリンピックフェスティバルでは、500mと1000mで金メダル、1500mで銀メダルを手にしている。
しかし、この競技で実力的に頭一つ抜け出しているのは韓国勢だろう。4年前のリレハンメル大会では、ショートトラック6種目で5個の金メダルを獲得した。
冬季ユースオリンピックで最も成功を収めている国ノルウェーは、今後も明るい未来が待っている。
ノルディックスキー・コンバインドの会場となるレ・テュッフ・ノルディックセンターでは、2019ジュニア世界選手権で銀メダルを手にしたイーダ・ベストボル・ハンセンの優勝に期待が集まる。
男子で活躍が見込まれるのは、フリースタイルスキーのテビエ・スカウグ。今大会ではビラール・ウィンターパークを舞台に華麗な技を披露してくれるはずだ。
ボブスレー、リュージュ、スケルトンは、毎年11月に整備されるサン・モリッツの手造りコースで開催。自然環境に配慮したサステイナブルなコースは、世界中を見渡してもここにしかない。
女子モノボブの金メダル争いでポールポジションにつけているのは、2019オメガユースシリーズを制しているスロバキアのビクトリア・チェルナンスカ。
リュージュではロシア勢が表彰台に返り咲く可能性が高く、ミハイル・カルナウホフ とルーリ・チルバは2018-19ユースワールドカップで栄冠を手にしている。
スケルトンでの金メダル獲得を期待されているのは、サン・モリッツでの2018-19オメガユースシリーズで勝利したドイツのエリザベス・シュロードルとルーカス・ダビド・ニデッガー。
ニデッガーはヨーロッパカップにも出場しており、すでに表彰台に上がったこともある実力者だ。
男子モノボブのファビアン・ギスラーは、地元スイスの期待を一身に背負うことに。2019オメガユースシリーズでは、4戦目までに優勝2回、2位が1回と素晴らしい成績を残している。
カーリングカナダ代表のリード、エミリー・デシェンズの物語は、夢の実現を描いたサクセスストーリーそのものだ。
オタワ在住のデシェンズは、8歳の時にバンクーバーで行われた冬季オリンピックを観戦。
わずか10分でカーリングに心を奪われた彼女は、このスポーツに人生をかけることを決意。こうしてカーリング界の新たなスターが誕生した。
ローザンヌ2020では、カナダを金メダルに導くことだけを考えている。
カーリング強豪国のイギリスでは、ジェイミー・ランキンがワールドクラスの実力を持つ若手として期待を集めている。
混合団体に参戦するランキンの母親は、ソルトレークシティ2002のカーリングで金メダルに輝いたジャニス・ランキンだ。
Olympic Channelは延べ13日間、計300時間にわたり、ローザンヌ2020ユースオリンピックの熱戦をストリーミング配信する。olympicchannel.comとYouTubeの冬季ユースオリンピック専門チャンネルを始め、Amazon Fire、Apple TV、Android TV、Rokuなどのデバイスでも視聴できる。
その他にもニュースやハイライト、注目の話題、インタラクティブなインタビューなどを毎日お届けするライブショーも、Facebook、Twitter、olympicchannel.comで配信。さらにオリンピックと縁の深いアスリートなどにインタビューしたOlympic Channelポッドキャスト も毎日お届けする。
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